見に行きました!行きましたとも!!話題の映画「RRR」を!!本当に良かった。
昨日のお昼に見たんですが、脳に直撃したエネルギーを手放したくなくて、テレビもYouTubeも本も絶っています。私の中のRRRを薄めたくなくて、人の感想も見ずに、ずっとナートゥーの動画だけ見てました。
そんなRRRを見に行くまでのことや、感想を書いていきます。私はキングスマンが大好きなんですが、並ぶぐらい大好きになりました。
映画があまりに良すぎて、私の平凡で憂鬱な先週の日々がぶっ飛んでいきました。
4/17 地元の友人が泊まる。THE ALFEEのクッキング動画を見る。
4/18 慢性的な肩こりが辛くて、マッサージでゴリゴリされる。
4/19安いワインをボトルで開けて、ネットの人と通話した。
4/20 社内政治に巻き込まれる。
4/21 あまりの暑さに仕事終わりに服を買いに行く。
4/22 夏服を買ったのに暑くなくて腹が立つ。
これはブログ用に書いてあった1行日記です。なお、この日記を読むまで、毎日何してたかほとんど忘れていました。私の記憶の海馬をぶっ飛ばしてくれるのが、RRRです。
元々、アカデミー賞で話題になったナートゥーのことしか知りませんでした。見たかったのだけど、3時間の映画は長い。ただでさえ、映画館なんて殆ど行かない人間なので。
唯一見た長尺の映画は、学生の頃地元のBARで流していたタイタニックです。朝の閉店まで見ていたので、女の子と遊んで戻ってきたおじさんが「君たちまだいるの!?」って驚いていたぐらい。それも友人と喋りながらみてました。誰とも喋らず、立ち上がらず、スマホも触れずの3時間。耐えれるか不安ですよね?大丈夫。絶対濃密で最高な3時間が保証されてから。飛ぶぞ。
ネットの友人がやってたツイキャスでRRR見たいんだよねって言ったら、みんな乗り気になって、行くことになりました。やった!!!人との約束という強制性が、こういう時ためになります!!独りだと体調不良とか睡眠優先とかで先延ばしになってしまうので。
RRRについて、ネタバレも見ていませんでした。応援上映が盛り上がること、歴史もの、世界中で人気のロングラン作品であること、暴力的で嫌だったとかいうnoteが流行ったこと。
暴力というのは大体理由があります。だから、どうして暴力的なことになっているのか、時代背景を知って想像力を働かせれば、大体納得できます。母親を殺された息子の復讐劇って知りながら、人が傷つけられたら文句を言うのはおかしな話だ。
なんやかんや、私も歴史関係の研究室を卒業した女です。英語も読めないし、暗記力も無いし、卒論はメッタメタに教授に批判されたが。ただ、歴史関係の本だけはずっと読めるし、受験生の時の世界史の勉強は「娯楽」でした。数学と英語は苦行。マジ無理。地獄。
脳みその準備運動のために、イギリスの歴史の植民地関連のところを読み、そこからイギリス帝国の植民地施策と、インドの独立運動のあたりをかい摘んでキーワードをノートに書き出します。自分の字なのに読めないぐらいには殴り書き。
てかそもそも、1920年代のインドが舞台で、敵がイギリスって段階で絶対バイオレンスって気づけるでしょう。ブリカスって言葉があるのだから!遺恨は根深いよ!インド人とイギリスが衝突した後、イギリス人が殺された現場の道路を通行する時、インド人は匍匐運動で通れというルールを作る国だからね。あと裁判なしで逮捕できる法律、ローラット法も作っちゃう。
なお、RRRは歴史上の活動家をモデルにしていますが、そんなこと一切知らなくていい。なんも考えずに見に行っていい。なんも考えずとも、イギリス人は嫌いになるし、インド人は大好きになる。3時間の大ボリュームで描ききってくれる。知ってると、スカッとするだけ。
むしろ、インド神話とかそっちの方を知ってたら面白いと思う。でもそれは、何回目かのRRRをキメた時でいい。頭空っぽで見に行ったら、エネルギー詰め込んで帰れる映画、RRR。
池袋の映画館で事前にチケットを予約して向かったのですが、まさかの満員御礼。公開日じゃないのに???それだけ人気なのRRR。コナンとかじゃないのよ?でも後ろの人の話ぶりに数回キメてる人もいるし、学生も多かった。カップルもいた。幅広い層に刺さるもんな。
3時間の映画は長いが、終わってみるとあっという間。尾てい骨の痛みだけが、3時間という時の流れを証明している。
もうね!!!すごいパワー!!テンポよく話は進むし、構図がもう浮世絵か?ってぐらい派手で格好いい。全部書いてしまうとネタバレになってしまう。悔しい。
目の前のおじさんとおばさんが映画始まっても喋ってて腹が立ったんだけど、あまりの映画のパワーと怒濤の展開に黙った。開いた口が塞がらなくなる映画、RRR。
ドラマとか映画だと、結構この先の展開が読めちゃうことが多くて、冷めちゃうんです。でもRRRの3時間にはそれは一切ない。なんでそうなるの!?!?えっマジで!?なんで!?!?どうして!?!?の驚きのマシンガンです。これがとても嬉しかった。飽きない。
警察官のラーマと森の部族出身のビームという2人の男が主人公です。ラーマはインテリでクールなのに、くっそ強いというギャップがいい。民衆の反乱をたった1人で抑え込む力もあり、英語も喋れ読み書きもできる。それなのにインド人ってだけで、中々昇進できない。ストイックだからか周りからも浮いている。あとネタバレだけど弓矢の残機は無限。
なお歴史の話を少し。警察の殆どがインド人だったように、インドの統治にイギリスはインド人を多用しました。宗教もバラバラでギスギスしてるし、忠誠度が高いのが原因です。あとめっちゃ強い。
第一次世界大戦では、かなりのインド人が激戦地に送られました。そのため、戦後インドではイギリスが自治や独立に対して何か融和的なことをしてくれるんじゃないかと期待していたのですが、締めつけは強くなるという。そりゃ、みんなイギリス大嫌いですよね。
さて、クールで最強なラーマが、少年を助けるためにビームと協力するの冒頭のシーン、最高ですよね。アイコンタクトとフィジカルで、会ったばかりの2人が命を互いに預けてるのがいい。その後、有名なナートゥーのダンスシーンもですが、友情が生まれます。いやあ!!いいよね!!あの仏頂面だったラーマが笑ってるよ!
ビームは温厚で、森生まれだからかシャイで、気になっている女の子と話そうにも英語が出来ずにもだもだしてて可愛い。でも、同じ部族の女の子を救うために、命かけて闘う姿は格好いい。マジカル薬草調合(って私は呼んでる)で色んな怪我を治してくれます。ニコニコで可愛い。左手でご飯食べて怒られててかわいい。でもシリアスなシーンだと、目力が増す戦士に戻る。
友情に厚い男なんですよ。自分がしでかした大きな過ちに気づいて、また命かけてやり直そうとするんですよ。その素直さが好きです。あと、この映画アクションシーンが多いんですが、人間は飛び道具で投げつけるものということが分かります。バイクも投げる。とにかく投げる。
最高のバディものでした。バディでいいんですよね??「親友」という単語にあらゆる感情が含まれる、バディですよね??炎と水という相反するモチーフとかさいきじゃん。ああ、友情に乾杯。本当に良かったんだ……。
3時間の大ボリュームなのに、まだ続きが見たいのです。あの、エネルギーを浴びに、劇場に行きたいのです。もっと、ラーマとビームの話が見たいし、ナートゥー以外のダンスも見たいのです。あの二人の物語を見させてくれ!!!なあ!!親友よ!!!
人生で最高に濃密な3時間でした。あと首の骨が折れる音が妙にリアルだった。そのあとみんなでインドカレー食べましたが、もうね、インド行きたい。今まで一度も思ったことなかったのに、インド行きたい。湿気と熱気の国へ行きたい。
まだ見てない人がいたら、是非見てください。3時間は尾てい骨以外は概ね大丈夫です。そんな痛み、作中の彼らの怪我より絶対痛くないので。
見た人へ。エンディングの急なナショナリズムバリバリの映像ちょっと面白かったですよね。インドのプロパガンダに使える。この映画、イギリスでも好評らしいんですが、イギリス人どんな気持ちで見てるの??
あーー!!楽しかったー!!!!!また行きたいなあ。アマプラやNetflixでの配信を待つのもいいですが、あの絵力のある画面を、最高の音質に包まれながら、熱中するように見るのもいいですよ。麻薬です。
トリップするような感覚、脳に直接届くエンターテインメント。RRRを是非見てください!!!
めっちゃ美味しかった。オレンジのドレッシング美味しいよね。翌日二日酔いだったんですが、ナートゥー聞いてたら元気になりました。万病に効くぞ、RRR。