夏さ、また。

日々のことを、だらだら書いてるだけです。

大手町 マロリーポークステーキと美味しい記憶

暑い日が続きますね。最近大学の友達や、幼なじみと手紙のやり取りをしているんですが、みんな書き出しが『暑い』から始まります。暑いしか言えない季節。うーん、好きじゃない。高温多湿の亜熱帯なんて私の知ってる夏じゃない。今日は曇りだからプールに入れないねぇって窓を見て落ち込む夏がいい。最高気温26度の夏がいい。

 

だから冬の方がいいよねって電話で話したら、金沢、岐阜、滋賀の友人達から「絶対いや!!」って言われました。一番寒い東北の人間が冬がいいって言ってるのになんでー?と思ったら、みんな雪が多い地域の出身でした。うちはあんまり振らないもんな。団結感に妙な納得。でも寒い方がいいよ。寒ければ着込めばいいし、前髪は汗でびちゃびちゃにならないよ。ただ寒いだけなので勝てる。文明の利器、ヒートテックに頼るべし。

 

先月、噂のマロリーポークステーキに行きました。ついでに大手町あたりをぶらぶらしたので、その日記です。

 

噂に聞いていた、酒飲みに優しい店、マロリーポークステーキ。本当は夜の方が酒飲みが優遇させるせんべろシステムがあるらしいのだが、初めてなので日和って昼に来ました。折角なので、あまり行かない大手町の店舗へGO。

 

オフィス街だから空いてると思ったんですが、店の前には長蛇の列。横目に入店できるのは、予約した人間の特権です。すんなり席に通されます。それにしても、ほとんど人気のないオフィス地下の飲食店街に、静かに人が並んでるのはちょっと異質だった。

 

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2人で食べるので、ちょっと大きなサイズを頼みました。これはマッターホルン級かな。ハイボールのデキャンタを携えて、勝負!!お供はトリュフバターになります。

 

ナイフで簡単に切れるほど柔らかいお肉は食べ応え十分。食べきれないかな?って思ったけど、すいすい行ける。卓上調味料が豊富なので、味変には困りません。特に牡蠣醤油とわさびが美味しかった!!旨みの暴力でお肉をコーティングして、ハイボールで流し込む。贅沢な美味しさ!!

 

外食のモチベーションのひとつが、『家で作れないご飯を食べる』なので、身体中に幸せが巡る。こんな大きな肉塊、低温調理とオーブンでじっくり料理するしかない。どれも我が家の設備じゃ実現不可能だ。大きな肉を食べることでしか解消できないストレスがある。無限と思うほどあるお肉を食べる贅沢さ。そしてまたハイボール。それでも、居酒屋に行くより安い。これは2人以上で飲む時にピッタリかも。

 

大満足でお店を出た。この日は7月初旬で暑く、外を歩く気になれない。このまま東京駅まで地下を歩いて行こう。途中、丸ノ内線あたりで天井が低くなり、通路の古さを知る。乗り換え難易度では新宿や渋谷が話題に上がりますが、地下鉄に関しては大手町が屈指の高難易度ダンジョンだと持ってます。半蔵門線から出られなくなったことがある。

 

JR改札近くの東北のお土産が集まっているエリアを冷やかしていた時、思い出したんです。八重洲の地下街に、女の子たちが沢山並んでる大きなコーヒー屋さんがあったなあって。調べたら、モバイルオーダーができるので予約して行ってみることに。


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すいすいと並んでる人を抜いてゲット。モバイルオーダーがクレジットカード専用なので、学生は並ばないと買えないのか。韓国で流行ってる、大容量のアイスコーヒー。フラペチーノとかもあったけど、ブラックが1番好きです。

 

八重洲口の3階にある、高速バスを見下ろしながらぼんやりできるスポットが好きです。昔はプルームショップがあったんですが、無くなっちゃいました。ここで缶ビールやコーヒーを飲みながら、茨城県の方へ走ってくバスをぼんやり眺めると時の流れがゆっくりになります。謎の法則で吸い込まれていくタクシーとか、飽きずに見れる。

 

ただ暑いのは難点です。これこそ、冬の方がおすすめかも。さて、八重洲の方へ行きましょう。ヤンマー本社の外側に酒が飲めるスポットを発見、今日は行かないので覚えておこう。


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マイベストアンテナショップだと思ってる、石川県の八重洲いしかわテラス。広い店内と豊富な品揃え、カウンターで飲める日本酒!!たまり醤油で漬けたクリームチーズと日本酒があうんだー!のどくろも美味しかった。

 

その後、八重洲ミッドタウンで津軽びいどろのお店を発見。昔、仙台の市民広場でお酒のイベントをやってた時に特典で貰ってから好きだったんですが、引越しの諸々で無くしてしまいました。その後実家で見つかったんですが、手元にはないので探してたんです。

 

日本酒を飲む時、おちょこだと量が少なくて毎回注ぐ手間が発生します。手酌タイプの人間は、たくさん注いでがぶがぶ飲みたい。

 

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そんな私の願いを叶えてくれる素敵な酒器がこちら。夏祭りをイメージしたものです。夜の黒、揺れる提灯の赤。賑やかな色合いに惚れてしまってお迎えしました。別日に、いしかわテラスで買った加賀鳶を飲む際に使用しました。酒を注ぐと鮮やかさが増すのが気に入ってます。

 

帰りにあまり降りない駅の、初めてのお店に行ってきました。神田のモンキーポッドというお店。立ち飲みゾーンが空いてたので安心。常連さんも沢山いて、握やがなお店でした。


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しいたけにニンニクバターを乗っけて焼いたものを、バケットに載せる。これはワインー!!

 

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エビのらおちゅう漬け。海老は漬けに限りますね。海老ワールドで屈指の美味しさを誇る気がする。あとはエビマヨが好きです。手前の皿は解したカニの身かな?どれも塩味と旨みが強くて、ガンガンお酒が進みます!そしてメニューが安い!!秋葉原と神田の真ん中にあるので、近い方はぜひ行ってみてください。

 

あとは最近食べた美味しいものの写真になります。


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人生で初めてエッグシングスに行きました。いつも地元で長蛇の列だから、はやりとは別の本物の美味しさがあるんだろうと気になってはいましたが、まさか本当に美味しいとは!エッグベネディクトも初めて食べた。朝マックや長熟マフィンが好きなので嬉しい。


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そして山盛りの生クリーム!!これが女子の言う『パンケーキ』という食べ物ですか!!見た目の割に生クリームが軽くて、エッグベネディクトの付け合せのポテトの力もあり、無事完食できました。美味しかったー!!

 

ももの季節だったので、桃のパンケーキでした。この前桃パフェも食べた。まだ母親と兄が発症しているバラ科アレルギーは発症していません。いつか桃が食べられない肉体が訪れると思うとヒヤヒヤしている。なので個数制限を設けて夏を迎えてます。リスキーな桃食ライフです。


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大好きな街の寿司屋の穴子。全部の握りが美味しいのだけれど、特に穴子が絶品。たまに、寿司が大好きな彼氏のために行きます。最近は銚子丸という回転寿しも気になっている。帝国ホテルでしか食べれなかった、ココナッツわらびもちが食べれるんだって。とっても気になるよね。

 

ココナッツが好きです。チョコは好きじゃないのに、ミスドでココナッツまみれのドーナツを買うぐらいに好き。ドバイチョコとか、中身ココナッツにならないかな。

 

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先日飲んだ上島珈琲のココナッツミルクコーヒー。今年1番美味しかった飲み物かも。ちょっと高いんだけど、休日の虎ノ門は誰もいなくて快適でした。これを飲んだ日は声優さんのイベントに行き、カフェでほっとして、そのあと友人とサイゼで豪遊した。しかも公園でキスしてるカップルを見つけて爆笑したり。

 

気持ちがとても若い日で、たまにある楽しいねー!人生ー!恵まれてるねーー!人に!って浸れる日だった。

 

 

境界と血

今日は職場の人に「人のことを決めつけるのは良くないですよ」「言わない方がいいですよ」って言われたので、未だに人との距離感がよく分からない。友達のことは大切だけど、会社の人はみんな感情がないと思っている節がある。理解できない人はNPC見たいな。自分が主人公極まれりみたいな思考にいることに気づいて、ちょっと反省。AIとかに相談したら全肯定されるらしいから、ちゃんと自分で自分を否定しなきゃ。

 

他者との境界を曖昧にしてしまう悪癖がある。踏み込んだり、他人のことを背負ったり。続けると人に嫌われることを、母親を見て学んだはずなのに。今度帰省するのですが、祖母の家にお土産を買ってこいと言われた。母はここ数年で自分の兄弟に愛想を尽かされ、絶縁状態である。それなのに、遠くに住んでいる私に、親戚のお土産と挨拶を頼む。正月それで親戚の家に行ったら、金をもらって帰った。絶縁する前から、母親に請われてお土産を買っていくと、親戚から母づてに現金を渡される。お礼の電話が苦痛だし、もういらないというサインだと思う。

 

親と兄弟のいざこざの間に、なんで私が立たねばならないのか。可愛い、地元に住んでいる息子にやらせろと怒りが湧く。笑っちゃうのだが、親戚の電話番号は知らない。こんなに核家族が進んでるのだから、もう全部無くしてしまってもいいんじゃいかって思う。親の介護とか指摘されるけど、遅く産んだ親が悪い。親戚に絆とか言われても、我が家が崩壊してた時に誰も助けてくれなかったのによく言いますねって言いたくなる。

 

なので考えない。とにかく距離をとって逃げることに成功した。母親のことは好きだが、ずっと傍にはいれない。地元に残った人間たちでよろしくやって欲しい。私は私で頼らず生きてるんだから。もう30歳になるのに、親戚が仲良くしていることなんてないのだ。いない人の悪口ばかり言う、血だけ繋がった人間関係。陰湿な血筋を呪いたい。悩んでいる親戚関係は、全て母親のものだからたちが悪い。母が死んだら、全て空に持って行って欲しい。

 

兄弟だから、家族だから、親戚だから。血の呪いが付きまとう。

 

友達の方がずっと好きだ。1人分の器量で、私だけを守っていきたい。守れなくなって生活が破綻したら、そのまま死ねばいいと思う。本気でそう思ってる。

 

人生に味方がいないから、自分でやっていくしかない。10代も20代もそうだったから、これからもそうなんだろう。血が濃くなるほど、好きじゃない。仲良くなれない。ふつうは、無条件に味方してくれる存在らしい。全員ナイフを持って、年齢が上だからという不条理な理由で刺してくる。

 

あっちもこっちも機能不全だったけど、外から来た父親の前ではちゃんとしようねっていう親戚一同だった。もう父が死んだら終わりである。誰も外面を守ろうとしない。だって、血が繋がっちゃってるから。

 

私の中に流れる母方の血だけ瀉血できないしね。ずっと流れるんだぜ。骨髄が血を作って、体に巡らせる。心が不安定になる。みんないなければ、人がしない不安を抱えなくていいんだぜって腹が立つ。

 

おせちを囲んで笑った年も確かにあった。だから嫌いになれないよねーって思ってたが、別にハレノヒだけをちゃんとしようとしてただけである。どこまでも、やるべき事をやれば全て上手くいっていると思い込む一族だった。

 

家族と仲良い人って早めに結婚して子供産むよね。だって子供に見せていい親戚しかいないから。家族に嫌な思い出がないから。ガキは祝福の先にいる。薄暗い人生送ってたら、自分のような被害者をこの世に生み出す責任感と正面からぶつかって、頭を抱える。他者の悪意に浸かるなんて、赤子には似合わない。健全な親類、仲のいい兄弟。それらが当てはまらないと若くて産もうとしない。子宮の耐用年数が来ないと、私はきっと決断できない。

 

帰省する時、お土産何がいい?と聞いただけで、こんなに嫌な記憶が溢れて、死にたくなる。登場人物がみんないなくなるまで終わらない。でも親戚で一番若いのは私だ。だから逃げ切れるかも。双子の兄は登場しないことにする。彼こそきっと、私と他人になりたいはずだ。嫌いあってるほうがいい、話題に上がらないから。変に関心があって、悪人を決めつけたり、家族の絆を信じる人がいるとたちが悪い。

 

でも誰か死ぬと冠婚葬祭イベントが発生して、強制停止マスに集められる。その1日が嫌だから、葬式も電報でよしとしてくれませんか。あそこの家の娘は薄情だって、精進料理の肴になるか。いない人が責められたらいいけど、いる関係者が責められるのは嫌だなあ。

 

大人になって改めて得られないもの。仲のいい親戚だと思う。まじで増えない。減るだけ。優しい人から減っていく。悲しいね。あとは子供の頃受けた嫌だった思い出はずっとあと引く。今は色んな障害とか何とか名前を付けてくれるけど、つけても解決しないので。ダメな私に名前の着いた重荷が増えていく。直視したくないので、曖昧にダメ人間な私と括っていたい。

 

母方の苗字ではなく、父の苗字が戸籍に書かれててよかった。名前を書く度に落ち込んでいた。私の手元にある、父親の成分が純度100パーセントのものが苗字だ。思い起こせば悪い父親だったかもしれない疑惑もあるけど、死人に口なしなので。ありがとうねー。

モネだけの空間 国立西洋美術館(常設展)

彼が北海道へ出張に行くというので、強制的に早起きするイベントが発生した。せっかくなので1時間早く職場に行って、早く帰ろう。それならば、久しぶりに国立西洋美術館へ行こう。モネの絵が飾られてる部屋に座って、視界を好きな絵画だけ目にいれようと思った。人間というものに疲れていた。

 

先日、山田五郎さんが亡くなったニュースが飛び込んだ。母親がぶらぶら美術館のファンだった。その流れで私もYouTubeを見始めた。昔から美術館や博物館は好きだったけど、作家を深堀したことはなくて。昔買った気に入った作品のポストカードを引っ張り出しては、この絵を書いた人はこんな人だったんだ~と思った。新しい描き方が生まれて、真似して憧れて発展して、大河のような美術史の中に流行と廃れがあることを知った。

 

知っている画家が増えて、改めて美術館に行くと視点が変わる。生で絵を見るのが一番いいのだけれど、知識に補完された状態で鑑賞すると、もっとじっくり見てしまう。美しいものを見に行くだけじゃなくて、答え合わせをするように絵画を眺めて、納得する作業の楽しさを知った。

 

近年、父親が癌で死んだこともあり、山田五郎さんが病気を公表してからは動画を見ることが出来なかった。癌の種類は違えど、闘病が長くなるほど人は衰弱する。衰えて弱ることが一番わかるのは、ふっくらしていた人が痩せるのだ。余った皮が首に張り付いて、亀のようになる。怪我が治りにくくなるのか皮膚が縮むのか、染みが濃くなり、青黒い皮膚が浮腫んで緩む。頬骨が突き出て痩けた横顔でタバコの煙を吐く姿を覚えている。

 

痩せていく人を見ることができなくて、サムネだけ見て遠のけていた。もっと見ておけばよかったと後悔しながら、改めて動画をみた。ご報告を見て、山田五郎さんがキリスト教徒だと知った。亡くなることを帰天というらしい。天国に帰るから、帰天。今頃、好きだった作家に取材をしているかもと話されていた。

 

天国。フランダースの犬でネロはルーベンスの絵を見るために教会に向かって息絶えた。あの後、大人になってルーベンスの絵だと言われる絵画に近づいたら、ルーベンス工房作って書いてあり、工房というシステムを知った。話がそれた。別に弔うために動いた訳ではない。何となく国立西洋美術館の常設展に行こうと思った。

 

日本で一番西洋絵画が集まっていると思われる場所。一番沢山の作家の絵画が展示されてるであろう場所。今、急に明日世界が終わるぜって言われたら、もちろん大切な人に会いたいと思う。それが出来ないと制限がかけられたら、法もモラルもない最後の日に、私は国立西洋美術館のモネの間で電話をしたいと思った。凪のようなモネの睡蓮を眺めていたら、ゆっくり眠るように終わってくれるんじゃないかと。

 

それは幼い頃八甲田山近くの湿地で見た、広く平たく緑と青の地平線の中に寝転ぶような、清々しい気持ちにさせてくれるだろう。行ったことがない尾瀬も、突き抜けた空と足元に生い茂る小さな草花が輝いているという。穏やかな風景に人は心を奪われて集まると聞く。

 

モネの絵画は、光を操る。特に丸みを帯びた陽光に溢れた絵は、時の流れをゆっくりにさせてくれる。あの場所こそ、天国に近い。

 

外はゲリラ豪雨で、これから出かけようと思う人はいないだろう。フレックス制万歳と会社を後にし、電車に飛び乗った。帰り際にやってきてトラブルに腹が立つし、あまりに私が返信しなくてもいいグループチャットが鳴るので社用の携帯の電源を切った。行かない飲み会の待ち合わせとかどうでもいい。私は会社の人間にすり潰された、か弱い心を回復させるんだ。

 

チケット代を払う度、500円で見れるのはバグだろうと思う。人もまばらの夜間開館という贅沢な空間を、500円で買っていいんですか。国立西洋美術館の作品を2、3点東京の外へに持っていったら、特別展として長蛇の列を生むだろう。

 

日本人は期間限定に弱いので、特別展が大好きだ。宗教観がごちゃまぜの国民性のため、キリスト教の知識が必要になるルネサンスあたりの人気も乏しい。そこら辺の知識なく見れる印象派の人気がダントツなのも頷ける。私も印象派が好きだ。だからこそ、常設展は宝の山だ。ゴッホ、モネ、セザンヌ、ルノワール、マネ、ドガ、シニャック等…。クリムトだってある。スマブラ並の豪華さなのに混んでいない。

 

秋の特別展でやあゴッホを見に行こうと意気揚々と向かっても、話題の展覧会はコロナ後に予約が必要になった。その上、たくさんの人に囲まれて、おしくらまんじゅう状態で絵画に向き合うのは果たして正解なのか。絵画は、部屋に飾るものだ。ゆったりとした空間で、窓の代わりに置きたい家具でもある。

 

その上、撮影可の作品には、写真を撮るために手を伸ばす人が群がる。その絵はSNSにアップしたあと見返すのか?と聞きたくなる。でもコレクターもそうだが一時の虚栄心を満たすのも、芸術の魔術だ。価値あるものに、人は集まる。

 

私は、自分が作家になった気持ちで、製作途中の視点を持って近くで絵を見たい。意外に大きいタッチなのね、どんだけ色を混ぜてぼやかしたんだろうと最前列で見たい。その後、この絵が飾られた場所を想像する。金持ちの別荘、恩人の私室、作家のアトリエを想像する。広い空間で静かに座って見たい。ちょっと離れた場所から、調和された画面を眺めたい。色んな角度から、ぼんやり見たい。鑑賞している人の反応を見たり、絵画の前で目を瞑る贅沢を味わいたい。

 

空いている館内をすいすい歩く。別に順番通りに見なくたっていい。疲れてヘトヘトの脳みそで見たら色褪せてしまうかもしれないから、一番最初に見てしまおう。特別展はストーリーを重視した構成が多い。ここの常設展もイコン画から年代順に並んでいる。でも何回も来ているのだから、自由に歩かせて頂く。後でまた最初に戻るから。

 

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人の少ないモネの間へ。目に飛び込んできたのは、損傷が酷いモネの睡蓮だった。このままコレクションとして展示されているのも、博物館が教育機関としての側面があることを教えてくれているようで好きだ。


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穏やかな湖面に白い蓮の花。最初期の睡蓮の絵だ。最初の睡蓮と晩年の睡蓮を並べて見ることができる贅沢な時間。夕暮というより、早朝の朝靄を思い出す。漢字だとゴツイ、あさもや。山から裾のような霧が降りてきて、新聞配達のエンジン音が聞こえる時間帯。つけっぱなしで寝た動画を止めたり、ラジオを消して、予定起床時間まで何をしようかと天井を見つめたあの時間帯。お盆の祖父母の家なら、仏間で寝ていると知らない先祖の遺影と目が合うから、必死に目を閉じてやり過ごしたなあ。

 

 

今年はモネの没後100年に当たるため、国立西洋美術館所蔵のモネの絵が全て展示室 されているとの事。大盤振る舞いだ。


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ソファに座る。360度モネの絵だけの空間が生まれる。昔行ったオランジュリー美術館の円形の展示室を思い出す。モネの絵に囲まれた素敵な場所だった。10年後も、場所は違えどモネの絵に囲まれている。小さなことだけど、とても幸せなことだと思う。柔らかな光に溢れた絵を前に、雲の流れを想像しながらぼんやりする時間が好きだ。

 

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ここからは展示室で撮った写真たちと、簡単な説明になります。この絵は見る度に一番美味しそうな静物画と呼んでます。レモンとか切り方がオシャレすぎ。高そうなBARの入口とかにあったら、フレッシュジュースを期待しちゃう。

 

私に知識がないためテーマを調べての鑑賞で忙しかった。絵を見る、ソファで検索する、また絵の前に立つのを繰り返す。

 

今回の鑑賞時間の間に検索した履歴を見てみたら「フランドル派」「ゲッセマネの祈り」「ユディト」「聖カタリナ」「車裂きの刑」「サロメ」「アントニエッタ・ゴンザレス」「ヘラクレスとオンファレ」「哲学者クラーテス」「聖プラクセディス」だった。謎を謎のまま放置したくなかった気合いを感じる。


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モネの並木道。道の絵は国語の教科書に乗ってた思い出。あれは東山魁夷だったかな。岸田劉生の道の絵も暖かい季節の鮮やかな色合いと道のゴツゴツしている感じを覚えている。それに比べて、モネの絵は道より並木が中心だ。遠くの風景はあえて書かないが、果てしない感じは似ている。しかしずっと広く感じるのは、画面が道よりも空間、並木と空が絵のほとんどを締めてるからか、空の高さに夏を思う。

 

私はこの道を見ると、青森を思い出す。山間にあるりんご畑で遊んだ帰り、叔母の軽トラの荷台に乗せられて、向こうの山にある家に帰る途中だ。山と山の間が開けて、小さな里が除く時がちょうどこんな感じだった。

 

こんなに木々も高くないのだが、小学生の私にとっては、木は化け物みたいにおどろおどろしく、知らない道は闇だった。個人のコカコーラの看板と、交差点に揃えて植えられたベゴニアの赤い花を見るとほっと安心した。その始まりは、木々の合間から見えた、赤や青のトタンの屋根だった。


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お馴染みのモネの睡蓮。美術が好きな母親にLINEしたら、大きさは?と聞かれた。私の身長よりは大きいという、参考にならない答えを返した。


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気に入ったゴーギャンの少女の絵。警戒を解かないままこちらを一瞥する少女たちの表情は、むしろ自然体だ。睨みつける絵といえば、奈良美智の絵を思う。もっとデフォルメされていて、いじらしいけど。なんかずっと青森の話をしてますね。いつか行きたい、青森県立美術館。白くて大きい犬を見たい。

 

大人がこの絵の視線を他者に向けたら、ぶつかりおじさんの癇癪に当てられそう。少女だから許される可憐さがある。大人だっていじけたいし、睨みたいし、腹が立つことが多い。でも表情にも態度にも出さない矜持がある。

 

先輩が、若い子にどうでもいいような質問をされた時に「私は昨日の一件で機嫌が悪い」と宣言していた。その一件に若い子は一切関係がないのだが、機嫌が悪いという自己開示の強さにビビった。即座に無敵の人の爆誕である。自己開示した私に何か言うのはおかしいし、私に攻撃されても受け入れろという謎の正当性を帯びていた。近くで働いてて怖かったので、やっぱ心の底にいじけた心は隠した方がいい。無条件に手を差し伸べ貰えるのは少女まで。


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クリムトの絵があって嬉しい。大好き。クリムトといえば黄金の背景にエロティックな表情の女の人が頭に浮かぶが、この絵はリズミカルな大小の波が大きなタッチで描かれている。近くほど大きく、遠いほど細かいので、奥行きが感じられて素敵だ。きっと波も穏やかなんだろう。

 

色合いは違うけれど、福田平八郎の漣と似ている法則性がある。手前に近いほど光が大きく、奥に行くほどタッチが密になる。海と湖面で場所は違うが、違う国で水面をずっと見続けた2人が同じような書き方にたどり着くのが面白い。

 

福田平八郎の漣は、2023年に国立近代美術館で行われた 重要文化財の秘密という展覧会で知った。そこからずっと好きなのだが、この記事を書くまで共通点に気づかなかった。後でポストカードを隣合って飾ろうと思う。

 

必要な情報だけ検索して得ることができるタイパの時代に、ふらっと知らない作品に会うことができる偶然性が気に入っている。たまたま知った、行ってみたら楽しかった。そんな余裕が、人を許せる心の余白に繋がると思う。自分の好きな物だけを見て、信じて、視野を狭めると排他的になる。他の人の考えもいいね、あなたの好きな物はなんですか、それはとっても素敵な事ね。と言える人が多い方が、争いが消えると信じている。


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静謐という言葉が似合う、ハンマースホイのイラスト。無機質なインテリアに囲まれた部屋で、妻がピアノを弾いている。グッズショップで聞いたら、人気すぎてポストカードは売り切れていた。せっかくだから持って帰りたくて、マグネットを買った。

 

ハンマースホイの絵が好きな友人がいたのだが、彼女の男関係で色々あり、疎遠になってしまった。20代前半の私は心が狭く、己の心を守るためにどんどん友達が減っていった。それは過酷な前職の労働のせいでうつ病になったからと言えば終わりだが、逃げである。私は沢山の人と連絡を取らなくなり、傷つけて逃げた。過程と事実は消えない。

 

ハンマースホイの絵を見ると、苦い気持ちになる。もっと仲良くできたはずなのにという気持ちと、友情の賞味期限だったんだよという自己防衛。大人になって友達を作る難しさを痛感すると、学生時代の友人を大切にしておきなさいって過去の自分を殴りたくなるが、そこに固執せず一人に慣れろよって激励もしたくなる。

 

彼女を通して初めて知ったハンマースホイという画家。静かな生活の一瞬を切り取った絵で、ポストカードを部屋に飾ったらお洒落な感じになるだろう。それなのに私の心は、海馬に刻まれた様々な許されないことや後悔や苦悩を引っ張り出して、再放送してぐちゃぐちゃになる。なので買ったマグネットは会社に置いておこう。会社も嫌な場所なので。


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帰りに外で見た地獄の門。青の祓魔師を見てたので、ゲヘナゲートだー!って毎回ちょっと盛り上がる。女の子がダブルピースで写真を撮ってた。地獄の門で平和を願う。おめでたいとか言う人もいるかもしれないけど、本当に平和でいい日だなって。

 

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帰ってきました。今回の常設展のモネの橋の絵と、昔買ったナショナル・ギャラリー収蔵のモネのポストカードがそっくりだったので並べてみました。モネはロンドンに旅行に行って、ウォータールー橋を沢山書いたらしい。wikiで調べたら、アメリカの美術館が所蔵している作品が多かった。舞台になったイギリスの美術館は0だ。アメリカは新しい国だから、新しい美術に抵抗がなかったのかな。


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今回購入したポストカードを壁に貼る。なんか斜めになったので、今度ちゃんと貼ろう。右にあるモネが書いた赤い花の絵が好きです。

 

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目で見た絵しか買わないというルールによって集められたポストカードの山。家にいる時は視界に好きな物しか入れたくないと、ひっつき虫という粘土で貼り続けたコレクションも乱雑だとちょっと怖いね。大学生の時から変わらないので、家に遊びに来る友人たちは「増えた?」って慣れた様子。この前は「マツケンwww好きだっけ??」と笑われた。貰い物です。

 

そろそろストーカーごっこやプロファイリングごっこができるぐらい増えてきた。整理するか、いっそ壁を全部埋めちゃおうか迷うね。

 

天国を味わおうかと出かけたけど、過去の思い出や後悔をどんどん思い出して、でも素敵な絵にも出会えて。心はアップダウンを繰り返してのたうち回ったあと、謎の達成感がある。残ったのは生の実感。出会って別れて、悲しんで喜んで。慌ててるうちに歳を重ねる。小さいループと大きなループを繰り返して、いつか死ぬんだろう。

 

生きていたら、素敵は絵にまた出会える。まずは中年になるまで、大原美術館へ行こう。待ってろ倉敷。小さな目標が生まれました。

2週連続の浅草 その2 なすのしぎ焼き

随分時が経ってしまった!!2週間連続で浅草に行った時の後半である。

 

最近の近況としては、野球に行ったり執事喫茶に2回行ったり、イベントで腹が立ったり、ちょこっと本を読んだり。神奈川にも2週連続で遊びに行ったりしました。とにかく色んなことがあった。総じて今年は遊びすぎであり、家計は火の車というより爆発しているのだが、ラスト20代を全力で走り抜けるためにはやむなし。後悔はない。体力もない。金もない。三内丸山遺跡の女として抜かりない生活を謳歌しています。

 

あと仕事で腹立つことが多いので、みーんな反省して欲しい。ばーかばーかと幼稚な悪口でこっそり茶化すしか心が救われない。具体的にその人たちの嫌なところを、丁寧に文章にしたところで嫌な部分に納得するだけという。現実を真っ直ぐ見たところで現状を変える元気はない。全員の不健康をお祈りし、なんかいい求人ないかなーーって空を見るしかできない。自分だけがいいと思ってる年上の社会人、全員胃潰瘍になりますように。

 

さてさて、本題へ。浅草へ行きました!今回はBLゲーム大穢が好きな友人と、推しキャラの生活圏を見に行こう祭である。戦後まもない浅草は、今と違った活気があったんだろう。今も昔も娯楽の真ん中。素敵な街だ。

 

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昼前に神谷バー前で集合。浅草の一等地でサクッと飲める嬉しさ。明治13年創業。色んな人がこの店で友人と酒を酌み交わしただろう。アサヒビールのお膝元だから、大きなジョッキで乾杯です。


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友人のおすすめ、なすのしぎ焼き。はじめて食べる料理名だ。安住紳一郎の日曜天国というラジオで、椿山荘で提供される 米茄子の鴫炊きについてリスナーから寄せられたお手紙があった。ナスを美味しく食べるための料理として大人気とのこと。国内外であの味を楽しみたいと、海外でナスを手に入れたり、沢山食べたいと栽培している人もいるらしい。

 

これがあのなすのしぎ焼き。鴫炊きに名前が近いから、ベースは同じようなものだと思う。あちらは椿山荘、こちらは浅草の角だ。歴史だけは負けていない。油で照りが出たなすを口に運ぶ。じゅわっと旨みが広がって、攫うように冷たいビールを口に運ぶ。うーん、とっても美味しい!!

 

なんで頼んでなかったのだろう。ちょっと悔しい。これから神谷バーに来る度に頼もう。なすのために立ち寄るのも大いにありだ。


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いつも飲んでしまう電気ブランサワー。添えられたチェリーとオレンジが、クリームソーダのようにレトロな可愛さを発揮する。ついつい頼んじゃうが、度数は可愛くない。写真は無いが、ジャーマンポテトもほくほくで美味しかった。


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ほろ酔いで店を出る。雲が出てきて歩きやすい。塩とたばこの博物館まで歩くことにした。途中、満願堂の芋きんつばに立ち寄った。焼きたてが簡単に食べれるし、仲見世より混んでなくてありがたい。ここも明治創業だから、かのキャラクターも食べたかも。

 

昔は専売公社の管轄だったので、塩とたばこがひとつの博物館になっている。たばこも国の事業だったんだ。なら喫煙者にも優しくしてくれないかな。国をあげて吸わせておいて、最近は肩身が狭くなったと聞く。風立ちぬの頃のは男性の喫煙者は80パーセントを超えていたとかいうじゃないか。今こそ喫煙専門店を作ろう。Googleのクチコミで、タバコが吸えただけで低評価をつける人がいる。そんなお店をリストアップして、足繁くひそひそと通う人は多いだろう。タバコが吸えて酒も美味しい?コーヒーもあったら卒論の味だ。

 

そんな私は元喫煙者で、最近は2件目で酒を飲む時ぐらいしか吸わない。家は禁煙であって欲しい。でもあまり喫煙者を毛嫌いする気持ちはない。祖父母の家のリビングには換気扇があって、お盆に集まるとカラカラと音を立てて煙を吸い込んだ。甲子園の音、い草の質感、煙の臭い。夏の五感に煙草が含まれている。

 

職場の高学歴の人が「友達は酒もタバコをやらない。この会社に転職して初めて見た」と言っていた。悪意は無いのだろうけど、しゃらくせぇなって思った。酒、煙草が無いクリーンな高学歴の皆様の世界はきっと美しいのだろう。未来に希望があって、上澄みの皆様だけで交流して世論を語る。

 

綺麗な水で生きれない私は、煙と酒が馴染む。ここが居場所だと思うし、そんな高尚な生活はごめんだと思う。短く太く、俗欲に塗れて不健康に倒れたい。

 

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塩のゾーンで無邪気に追い詰められてるナメクジが可愛そうでかわいかった。 

 

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タバコの広告っていいですよねー!!朗らかで格好よくて好きだ。リラックスするための趣向品なのだから、怖いフォントで健康被害への警告文を大きく書かないで欲しい。早く死にますから!年金残るよ!国庫に寄贈するよ!その覚悟がないやつは吸っちゃダメ。

 

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一番好きなポスター。雲ひとつない青空に、恍惚とした表情。根拠ないボジティブな言葉。いいねぇー!


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昔のタバコを買うこともできました。好きなキャラクターに会うことはできないけど、彼が吸ってたタバコの匂いを嗅ぐことはできる。贅沢なタイムスリップ。


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吸う時はピースのスーパーライト派なので、ショートピースを購入。小さくて、握りつぶしそうで不安。


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日本人より外国人が多い寺こと浅草寺。


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いつも凶ばかり引くので、吉は大変めずらしい。酒を飲んで迷惑をかけるなと書いてありますが、最近人の前で沢山吐いたことがあったので、予言でしたね。馬鹿野郎。出だしが有明の月なのが奇跡的で笑ってしまいました。


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友達おすすめの浅草メンチ。揚げたてジューシーでとても美味しかったです!!メンチ界隈でも屈指の美味しさ。並んでる理由もわかる。


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吉原のソープ街の真ん中にポツンとあった謎の遊具。コーヒーカップのようにぐるぐる回すシンプルな機構なのですが、友人がとんでもないスピードでまわってて面白かったです。三半規管が弱い私はやめときました。夕方でもタクシーと黒塗りの車、店の前には黒服。下町のはずなのに犬の散歩をしている人もいない。誰かに監視されてるような視線を感じる街。独特ですね。風俗街を散歩してるこちら側が悪い。


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あのキャラクターも食べてそうじゃない!?という思いつきで予約した桜なべ 中江で夜ご飯。歴史ある馬肉の専門店です。吉原の見返り柳に近い場所にあるから、当時からここで精力をつけて向かったのかしら。貧民には少しお高いのでガツガツ食べることはできませんが、優しい甘みと弾力のあるお肉が美味しかったです。風情のある古い建物も当時のままなのかな。


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馬刺しは青森の親戚の家でよく食べてましたが、火を通すのは初めて。特に締めに食べた雑炊が美味しかったです。馬の旨味が味噌ベースのたれと混ざり合い、卵で手を取り合う。お肉は火を通しすぎると固くなるらしいので、お店の人に指示を受けながら食べたのですが、やっぱ手本があると上手く焼けますね。もんじゃもそう。見よう見まねは失敗の元。

 

帰り道、外でタバコをする浴衣の方を見かけた。くたっとよれて肌に吸い付く生地を見て、普段使いで浴衣を着ている人と察する。旦那衆という様態だ。いいなあ、ここが地元だったらどんな人生なのだろう。三社祭に精を出していたかな。観光客相手に商売をしてたかな。ビフォーアフターに出るような、狭小住宅に住んでたかしら。

 

夏は庭先に朝顔と鬼灯の鉢植えを置き、引き戸の玄関の靴箱の上に水槽を起きたい。亀か金魚を育てたい。柴犬よりも大きい、もふもふで臆病な秋田犬を外で飼いたい。それともインコか。どれも母方か父方の祖父母の家の風景で。夏と冬は心が田舎に帰る。暑すぎても寒すぎても、身にしみて寂しさに変換される。


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2件目に立ち寄った山谷酒場。スパイス系の酒場として大人気で、ずっとGoogleマップに保存していた。ようやく行けて嬉しい!!

 

自家製酒である山谷酒のソーダ割り、3種類の山椒ハイボール。美味しいー!!最近山椒が好きだ。よく行く飲み屋でアカヤネの山椒焼酎のソーダ割りがあったのだが、物価高で値上げしてしまった。仕方ないので、だいやめのチルグリーンを家で買ったりしていたが、手ずから実山椒を漬け込むというのもいいなあ。

 

最初の近未来的なカラフルな食べ物はパニスの盛り合わせです。つまみにちょうどいい。今度は都内の麻婆豆腐を巡ってる友人と行きたいな。私は辛いのがダメなのだが一口食べたい病なので、おこぼれを頂きたい。


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昼間の観光客は消え去った浅草寺。ライトに照らされて光ってる。寺は静かな方が好きです。


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家に帰ったら彼が会社からスイカを貰ってきてました。5月の贈答品のスイカはかなり甘い。これが贈答品の糖度!!四角く切ってジップロックに入れて、しばらくスイカ生活でした。水飲まなくていいからね。そのぐらい水分量が多い。

 

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賞味期限が切れるので、北海道旅行のお土産で旭川で買ったサッポロクラシックを飲みました。初春の北海道旅行もとても楽しかったのですが、写真が多すぎてブログにできていない。それ以外にも書きたいトピックが多すぎる。やはり遊びすぎかも。

2週連続の浅草 その1 水口食堂とさらば

5月に2周連続で浅草に行ったので、写真メインで振り返ります。

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五月晴れの浅草。いい天気なのでしっかり暑い。浅草寺は日本人より外国人の方が多いという状況も目が慣れて来ました。でも今日は結構日本人が多いなあと思ったら、法被姿の集団がちらほら。遠くからは拍子の音。三社祭の最中でした。明日から本番らしい。


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暑い時は何を飲むか。浅草を見下ろす黄金のビル、アサヒビールのお膝元。そんな私が選んだのはサッポロのメガジョッキ。北海道に旅行してからサッポロビールが心を掴んで離さない。冷気で皮膚から涼むのもいいですが、食道にキンキンに冷えたビールを流した方が汗は引きます。


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水口食堂で昼から飲みます。マグロの刺身がおいしー!美味しすぎて写真を撮り忘れましたが、水口食堂のミックスフライが揚げ物界で一番好きかもしれない。軽い口当たりとサクッとした歯ごたえ。揚げ物なんてどこも同じだと思うでしょ?明確に違う。すっかりファンになってしまいました。


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いり豚かな。隠し味にカレー粉を使ってるからか、スパイシーな味わいで酒が進む。定食も美味しいんだろうなあー!!


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漬物かぬか漬けか。夏のだらだら飲みのいいお供。昔漬物系は苦手だったんですが、トロタクからたくあんが好きになり、数年前には無印のぬか床も買ってしまったぐらいには好きになりました。塩分チャージ。


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懐かしいミートソーススパゲティ。ゴロゴロのひき肉が食べ応え十分。美味しいなあ。浅草で大好きなお店が見つかりました。ちょっとお昼の時間をずらしたからか並ばずに入れてよかった。

 

水口食堂でも昨日行った神田もそうなんですが、酒を飲んでると近くで同郷の人達が話してる、みたいなシチュエーションに遭遇しがちです。酒飲みが多い県民性ではないのにね。出張で来やすいのかな。


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二人で凶を引く。出やすいっていうけどさ!!大吉見た事ないんだけど!!


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しばらく散歩したあと、暑さがしんどいので休憩。ローヤルコーヒーでクリィーミィーロワイヤルを。コーヒーの上に生クリームがのっている。甘すぎず、でもこってり。贅沢な時間でした。


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どうしても食べたかったフライドポテト。注文後しばらく待ったけど美味しかったー!!このあとTwitterを見てたら、さらばとポテト関係で色々あったらしく気まずかった。


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今日浅草に来た理由はこれだ!!さらば青春の光単独公演「九官鳥」!!私と彼が唯一同じ熱量で話せるコンテンツ!!助かる!!


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グッズ列待機中、外では三社祭のお神輿が通ってました。おじさんのミニスカのような法被姿と、姉御!みたいな女性を沢山見ました。東京なのに地元の繋がりが強いって不思議。これぞ下町。


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綺麗な祝い花が!!待機列でマネージャーのヤマネさんが歩いてきて、お写真撮っていいですか?と聞いたら「ぜひぜひ盗撮してください!」と言われて面白かった。無事タグとTシャツをゲットしました。周りのファンの人たちもグッズを身につけてる方が多い。アクスタ持ってくればよかったー!

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かわいい専務みたいな祝花。パチンコの番組だった。

 

単独公演の感想はまた今度!実はご縁がありましてもう1回行けそうです。それが終わったら感想をブログに書こう!!めっっちゃ笑いました。テレビでもYouTubeでも流せない内容ばかり!!コンプライアンスは仕事をしていません。


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終わって真夜中。どの街もお祭りの喧騒を引きずって大混雑。ちょっと並んでたくちゃんに入ることができました。よかったーー。つくね生ピーマンの組み合わせ大好き!


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たまに行ってたやきとん屋が閉店してしまい、アブラもカシラもどこで食べればいいんだ!って状況なので、家から遠いけどとても美味しいやきとんが食べれるたくちゃんの存在がありがたい。脂と炭を味わうぜ。


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いつも大好きなカレー。食パンをディップして食べると、締めなのに酒がぐぐっと進んでしまう。楽しい浅草の一日でした。

 

渋谷とか新宿とか殆ど行かないんですが、何故か遠くても浅草には行ってしまう。美味しい酒と活気が好きです。散歩しがいもあるから飽きない街。近くに住みたいけど、電車的には不便なのかな。朝も夜も人は多そう。実際どうなんだろう。

中野 強風の四川フェス

五月は春か。人によって答えが別れる問になる。近年の温暖化によって灼熱になった大型連休を思い出し、夏だという人が大半だと思う。半袖も来たし、エアコンも付けた。最近まで暖房だったぞ。と愚痴る人もいる。五月から十月までは夏。あとは寒い。それが最近の、二極化が進んだ日本の季節だろうと。

 

東北から北海道に住んだ経験のある人にとって、五月は春だ。春であって欲しい。冬が長くて寒いのだから、春という区間を数ヶ月は確保して欲しい。じゃなきゃやってられないという本音である。さらに、春は風が強いのだ。殺人的な暴風が奥羽山脈を滑り落ちて、平野部に突入してくる。騎馬兵のような勢いで市内を制圧するのだ。なので風が強いから春。なんか風も冷たいし。というのが、私の言い分である。

 

さて、五月初めに中野で四川フェスが開催された。前にdancyuフェスで食べ物系の祭典にハズレ無しという確固たる信念を得た私は、今度は中野に行ってみようと思ったのだ。ただ、アンテナを常に広げている訳では無いので、開催に気づいたのは当日の朝だった。まあ、昼ぐらいに行ければ楽しめるだろう。

 

家を出る時間が近づくと、一応売り切れ情報の確認でTwitterを見た。すると「強風でやばい」「強風のため、一時販売を見合わせてます」という文字。おーい。関東の五月は夏じゃないんかーい!!

 

行くのを迷ったが、胃の中が中華である。昼ごはんを作る気にもなれないので、日焼け止めを多めに塗って出かけることにした。

 

会場はすごい人とすごい風だった。大きなビルに囲まれた広場が会場だったが、ビルに沿って中華系の屋台が立ち並び、その横を風が強く吹いていく。しかし、芝生を超えて向こう側はそこまで風が強くない。どんな構造的なミスなんだろう。必要なものをゲットして、向かい側で食べるのが正解っぽい。

 

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企業の出店ブースが多く、アンケートに答えたら試供品のレトルト品が貰えたり、抽選に参加出来たり。人気店の麻婆豆腐が目玉のイベントだったけど、長い列に並ぶ元気は無いのでぶらり歩きながら色々貰ったりするのが楽しかった。


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お世話になっているyouki食品のブース。我が家の中華系の調味料は全部ここと李錦貴が背負ってます。李錦貴のスープ春雨をご飯にのっけた丼が美味しかった!!「麻婆豆腐用のご飯にどうですかー」って客寄せしてました。たしかに、麻婆豆腐は酒にも合うが白米がベスト。

 

試食で頂いた新宿中村屋の麻婆豆腐が辛くて濃くて美味しかった!!永谷園の坦々春雨も美味しかった。しかし風が強い。目玉のひとつだったハライチ岩井さんのチャーハンはそうそうに整理券を配り終えていた。向かい側に退散すると、こちらは地元中野のお店が屋台を出しているブースだ。


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孤独のグルメの舞台にもなった、東中野のラグマン!!これが一番のお気に入りでした。肉の濃い味と脂が絡んだ平たい麺が美味しい!!お祭りで食べていい味ではない。本格的な香りを強風が吹き飛ばしいく。モンゴルの草原よりもっと砂だらけの場所もこのぐらい風が強いと思えば、臨場感のスパイスってことで。


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赤ワインと一緒に頂きましょう。地域のお店が出店している系のお祭りは、地元のワインバーやスペインバルがグラスワインを出してくれていてありがたい。大満足のお祭りでした。

 

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中野ブロードウェイを歩き屋内の安全さに緊張感を緩めたあと、気になっていた立ち呑み屋へ。パニパニというお店の名前を冠したサワーは柑橘系で美味しかった。写真は神宮サワー。どこが神宮か?飲んだらあーーって納得するはず。私は緑色のサワーが来ると思っていた。神宮球場の思い出として、山田哲人サワーの印象が強すぎる。


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この立ち飲み屋は酒の種類もさることながら、飯の数も多種多様。そして安い。何より美味しい。飽きずにパクパクぐびぐびできるので、つい長いしたくなる。家の近所にあったら、毎週〇曜日はパニパニの日と決めちゃいそうな居心地の良さだった。我が家の近くにも立ち飲み屋ができないかなあ。

 

途中まで書いて放置していた記事でした。最近は本を読むことが多いです。図書館で借りる習慣が復活しました。ジェーン・スーさんのエッセイ本、金原ひとみさんのミーツザ・ワールド、 夕木春央さんの方舟。ノベル系BLゲームの大穢もクリアしました。嵐のドキュメンタリーも見たかな。金がなくて人に合わない分、インプットしよう!筋トレしよう!と思うものの、ショート動画ばかり見てしまう。

 

文学フリマも応募しました。当たるかなー?いつも抽選にドキドキしてます。前に書いた本を読み返して、自分を見つめ直そう。最近素敵なグラスや安いカバンを買ったんですが、そんな紹介記事も書きたい。ベスコスとかね。これがいいとか比較するほどものを買ってないので、ただの紹介になりそうだけど。

 

気に入ってるものとかいいよなーって思うけど、実物の写真を撮るのが面倒で。公式サイトのスクショって権利的に怒られたりしないといいんだけど。微妙だなーって手が出ない。あと毎年夏に短編文学賞の募集要項を見て、ちょっと夢想する。小説なんて一回も書いたことないんだけどね。小説ってどうやって書けるんだろう。面白いってなんなんだろう。

 

 

ルーズヴェルトゲーム 西武vs楽天

好きな漫画の中で「 100mを誰よりも速く走れば全部解決する」という言葉が出てくる。足の速い小学生だった主人公が、未来のライバルに走る魅力を伝える時のセリフだ。

 

自分にとって全て解決するものはなんだろう。大人になった今だったら、無難にお金になるだろうか。手に入らないものほど焦がれるから若さか。経験や努力もいいそうだ。諦めないとかね。どれも真面目で、ルールや常識に縛られたような、かといって抽象的でつまらない言葉しか出てこない。

 

試合を見終わった後、一つだけ胸を張って確かなことが言える。それは、「もう負ける思った時のホームランは全てを解決する」ということ。

 

やけくその大声援の中、綺麗な弾道を描いて外野スタンドに吸い込まれていく白球。天井に上がったボールを、4万人が口を開けて眺め、ゆっくりと高度が下がっていくにつれて視線が追う。入るかもしれない。入ったらまだ負けない。延長線が終わらない。そんなことがあるのか?入ったら、まだもう1回応援ができる。

 

時間にして数秒、思考は無限に広がる。フェンス間際を超えた時、流れ続けているはずの時間が一瞬止まり、今までもったいぶった分一気に加速する。声援が時間を押し上げるように、選手が軽やかにと塁を回る。

 

試合を見ていた時間やチケット代、人混みや有給だけではない。仕事のストレスも、うだつの上がらない毎日も。特に刺激のない人生も。過去の悲しみも、明日の辛さも。全部まとめて遠くかなたに飛ばしてくれる。単純な構造なものこそ美しく、圧倒的だ。思考も、時間も、過去も未来もぶっ飛ばしてくれる。

 

11回裏の7対6。土壇場の瀬戸際で、浅村選手の綺麗なソロホームランを見た。同点になった時、試合に勝ったような大歓声がドームに響く。同点だろって笑われるかもしれないけど。ずっと祈ってばっかの試合だったけど。報われたような気持ちになる。希望が具現化したら、ホームランみたいになるだろう。内野席が総立ちで吠えたのを初めて見た。

 

楽天ナイターだから、いつも野球を見にこないだろう人達が沢山いた。チケットを買って座ってる私が馬鹿みたいな気持ちだった。円になって名刺交換をする大人たち。無料チケットで高い席に座っている20人くらいのグループ。歓迎のために頭を下げる営業マン。

 

後ろの席の人達は保険会社で招待された若手らしく、マッチングアプリの初対面の会話みたいな言葉が聞こえてくる。スマホを使ってる隣の人は、ペット自慢に勤しんでいた。彼らは仕事だからと全員帰っていった。空席がぼちぼち見える座席の中、配布されたショッキングピンクのユニフォームを着た人間がいる。

 

かなりの人数が残っていた。9回裏に同点に追いついた時、覚悟を決めた人達だけが座っていた。私たちは、このゲームの凄さが分かる。ここまで残ったんだから勝てよという、妙な連帯感。平日月曜日夜21時半過ぎのやけくそな意地と願いが、徐々に応援に乗っていく。何回も聞いたチャンステーマは、いつの間にか口から自然に出た。鳴り物が禁止されてからは、叩きすぎて真っ赤になった手のひらを冷やすビールも無い。

 

執念。勝てよという執念。本当はあそこでエラーしなければ勝てただろうという気持ちは遠い過去になっていた。相手のナイスプレーに頭を抱え、ファールボールに狼狽える。センターの辰己選手にボールが飛んでいってくれ。まだ獲れるからと願う。

 

回ごとにピッチャーが変わるので、ストライクが入るようにお祈りする。自分の家は仏教徒だか、お祈りする時の髪の姿は洋風の白い布を纏った髭の老人だ。そこから野村監督と田中将大選手が頭をよぎる。神の子どこいったんだよ。酔う度に優勝のあとひとつの動画を見てるんだよ。にわかなのに、あの光に目を焼かれたいんだよ。

 

高く飛んだボールが内野席ギリギリに落ちることを見届けで、安心から出たため息を吐いた。渡部選手の打順で、頼むホームランを打たないでくれと祈る。ずっと祈ってばかりだ。祈って、落胆して、声を出して、祈って。心臓が四個欲しい。一点でも渡したら、逆転する打力はない。

 

西武ライオンズはパ・リーグでも交流戦でも首位のチームだ。対する楽天は最下位。とうとう監督まで変わった。吉井監督がみれればいいやって気持ちできたのに、こんな負けたら死ぬみたいな試合をすると思っていなかった。甲子園の決勝じゃないんだぞ。でも我々には、高校野球の応援席のような謎の味方感があった。一期一会同士なのに、遅くまで残った社会人たちが一斉に吠えているのは圧巻だ。

 

12回表、西武ライオンズの攻撃を0点に抑える。隣にいた人が呟いた。「負けが無くなった」と。延長戦は12回で終わる。12回裏楽天の攻撃が0点でも引き分けだ。相手の応援席が少し静かになったのは、引き分けか負けしかないからか。ここまでやって引き分け??そんなのありえないという熱が充満する。しかしあっさりツーアウト。前回の観戦で2対12でボロ負けした記憶が蘇る。また弱小と馬鹿にされるのか。流れとか、勢いとか、そんなものとは無縁なのか。

 

捕手の石原選手が塁に出た。よく見てよく見て、ファーボールを選んだ。すかさず代走で小深田選手が出てくる。監督は投手陣の見極めに評判があると聞く。実際、崩れたピッチャーを粘らせなかったから、各回最低失点で来たような気がする。野手のことはわかるのか。斜め前の楽天ファンの女性が手を叩く。「よくコブちゃんを残していた!」と。 

 

12回裏ツーアウト。あと一つで試合が終わってしまう。打席には黒川選手。野球に詳しくないのだけど、9番って打てる打者置かない気がする。でも代打は出ない。黒川選手が出れば守備も打撃も調子がいい佐藤選手に回る。すると小深田選手が盗塁をした。投げられないキャッチャーの姿に客席が湧く。えっ、あっさり2塁まで走者が進んだ。走者なしと2塁にいるのとでは桁違いで心労が消える。勝てるかもしれない。

 

応援で覚えたクロカワフミヤという名前を叫ぶ。何回も聞いた歌が流れた。一番好きなチャンステーマだ。いい音が響いて、ボールがドームの真ん中を真っ直ぐ飛ぶ。外野に捕られるか、スタンドに入るか。落ちたら勝ち。取られたら引き分け。どっちに転んでも試合は終わる。落ちるか、伸びるか。外野の頭上のちょっと上、芝に落ちた途端に声が上がる。サヨナラ勝ちだ。

 

あとから聞いたが、さっきエラーしたのは黒川選手だったらしい。エラーの後決勝打を決めるのは、ヒーローのようだった。前に小郷選手が同じようなことをしていた。そんな選手が大好きなので、夏までに黒川選手のタオルを買おう。長かった。4時間半の総力戦。こじんまりとしたねぶたが出てきたのは謎だったけど、とにかく勝ててよかった。

 

試合についてLINEをしていた友人や親から労いの連絡がくる。先発の名前を見た時は投手戦だと思ってたから、つまらない試合になるぞって言ってた自分を殴りたい。年に数回しか観戦に行かないけど、とんでもない試合だった。これだから野球観戦はやめられない。ありがとう黒川選手。

 

そして浅村選手のホームランの美しさはきっと忘れないだろう。ホームランは全てを解決する。球場に来るまでの悩みも記憶も澱みも全部飛んで行った。

 

知らない人とハイタッチした手は、応援し続けたダメージでヒリヒリする。喉は枯れてガッサガサ。月曜日だぜふざけんなって思うけど、一生忘れない一日でした。

 

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初々しいお二人。初勝利おめでとう!
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試合後に出てきたちんまりしたねぶた。そういえばサンドイッチマンも来てました。


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改めて見ると、やっぱ高校野球のような大熱戦。7対8は野球で最も面白いとされるスコア、ルーズヴェルトゲームというらしい。こんなに楽しい試合はないよ。とってとられて、祈って嘆いて喜んで。喜怒哀楽が試合時間に詰まっている。野球って楽しい!!