夏さ、また。

日々のことを、だらだら書いてるだけです。

年賀状

  正月なんぞとっくに過ぎ去ったというのにこの話題で恐縮だが、毎年年賀状を書くのが好きだ。かといって、お返しの葉書が届くことはほとんど無いのだが、意地になって毎年送っている。一応、その後LINEやTwitterでは連絡は来る。

 

  そもそも送るタイミングが遅いのが悪い。毎年末、どうせお返しは数人しか帰ってこないよなあと拗ねているのに、地元の友達がいないことが災いして、実家で紅白を見る頃にはすっかり暇なのだ。暇だけど時間だけはあるので、なんやかんや嫌われてはいないだろうと年賀状を書いてしまう。今のところもう送ってくるなとは言われていないしな、と変な居直りを経て絵の具と画用紙を買いに行くのだ。返信はなくてもLINEが来ることもあるし。

 

  31日ともなると、葉書も殆ど売り切れている。郵便局も閉まっている。そのため、近所のスーパーやコンビニをハシゴして、無地の年賀状をかき集めるのだ。絵の具も準備していないので、毎年小学生用のぺんてるの水彩絵の具を買っている。絵を描く機会も年末しかないから、毎年忘れるのだ。これが風物詩になっている。

 

  そもそも友人たちが皆遠方に住んでいるのが原因だ。心の距離と物理的な距離は関係ないと若い人は言うが、ふつうに関係がある。電話もしずらいし、コロナのせいで何年も会ってない。友人たちは、この前もハイキューの映画をみんなで見に行ったらしい。乙女ゲームの攻略もしているらしい。その場に、遠く住んでいると呼ばれすらしない。寂しい。仕方ないのだけれど。

 

  それでも、友達だよねと縋るように年賀状を送ってしまう。私の臆病な人間関係の、免罪符みたいなものだ。友達でいていいよねと許可を得るように、まだ友達だよねと確かめるように。そんな重めの年賀状。毎年届いている人には申し訳ない。風物詩として許して欲しい。

 

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  2024年の年賀状。辰年だからごついぞ!?とビビりながら、極力描きやすいデフォルメを模索した。友人の中にはパソコンで絵を描いてくれる人もいて、大量生産できていいよと言われるのだけど、毎年水彩で描いている。不器用なのと暇だからだ。この年は、赤と黄色と青の3色の絵の具で塗った。


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 ハガキをなぞるように画用紙に枠を書く、その中に適当に下絵を書く。浮世絵のように、下書き→色作り→全部の絵の同じパーツを塗るという浮世絵擦り戦法で塗ると時間が短縮できることがわかった。色も無駄にならないし、同じような絵が出来上がる。今年の革命だった。


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最初は左のように色んなイラストを見ながら龍ってこんな感じかってちゃんと書くのに、6枚目にもなると右のように一発描き適当になる。毎年10枚くらい同じ絵を書くので、手が慣れてくる。 後半の方がデザイン的にいいので、当たりと呼んでいる。


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 同じような絵を描いて飽きるせいか、どんどん大きくなる。これを切ってハガキに貼る時、ちょっと絵が切れてしまうのが悲しい。余白にびっしりと文字を書いて、年賀状の完成です。

 

 この年は正月の正午に年賀状を投函したのだが、その後能登地震があった。私の友人の半数以上が北陸に住んでいるので、年賀状が届いたのは14日以降だったらしい。タイミングが最悪で、すぐにLINEで謝った。あけましておめでとうなんて言えない空気だった。避難した友人たちは皆無事でした。


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 年末に会った親友とプチブームになったカリスマの天童天彦。ボボンガリンガの曲にツボってしまって、朝まで遊んでいた時にずっと歌ってた。あれ以降聞いてないのも謎である。ちゃんと人間万歳って筆ペンで書いた。親友には普通の年賀状も送っているので、大喜利である。余念が無い。


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  パレットなんて無いので、毎年牛乳パックを開いたものを使っている。水を弾くし大きいので重宝している。たまに傾斜で色が混ざるけど。

 

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 2023年の年賀状。ウサギさんかな。ちょうど退職に向けて有給消化の時期だったので、暇だったのか手が込んでいる。てか、キャリーバックの上で書くな。


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  絵を描くのは好きだが下手なので、毎年何をやってんだろうと我に返る。この時は、画面がのっぺりして、慌てて線を赤い色でなぞったんだろうな。


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 なお、この年父親が亡くなっているので、本来なら喪中である。ただ、父親も亡くなったし、友人たちにも捨てられたらたまったもんじゃないなと年賀状を出した。心が弱い。忘れられたくないのだ。


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  2022年の年賀状。今までで一番のお気に入りだ。張り子の虎っぽくかけて満足だった。


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  相変わらず汚いパレット。こんな色のiPhoneケースとかあれば欲しい程度に、ビビットな色が好き。 


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  仕事が本当に嫌で、死んでしまおうかと悩んでいた時期でした。そのためか、文字を書くゾーンが広い。誰かに話を聞いて欲しかったんだと思う。コロナのせいでどこにも行けないし、社会も暗かったし。


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  浮世絵が好きなので、赤富士の絵を沢山見た気がする。赤と青のコントラストが好き。ヘタリアのイギリスがすぎだったからか、中学生の頃の財布がユニオンジャックだったのが影響されてるのかな。 

 


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  2021年の年賀状。社会人なりたてなのでまだ元気。そして当時は全力でオタクだったから、ちゃんとキャラを書いている。これは友人の推しのツイステのアーシェングロッドさん。友人たちは何故か友達の親戚みたいな距離感で、アーシェングロッドさんと呼んでいる。誰もアズールって呼ばないのがウケる。

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  丁度呪術廻戦の五条悟が流行った時だったんだと思う。ツイステも流行っていて、友人たちはまだあんスタにハマっていなかった。黒歴史に片足突っ込んでいる時期なので、恥ずかしさが勝つ。てかこれ、みんな実家暮らしだから親とか見てるんだよな。今まで気づかなかった、ごめんなさい。

 

  写真を見返したら、銀魂の銀さん、ポケモンのポップくん(ダンテが上手く書けなかったんだと思う)、羅小黒戦記の無限様、ハイキューの及川と岩ちゃん、エヴァ綾波を描いてたので、友人たちも含めてみんな熱心なオタクだったんだと思う。

 

  社会人になって会うことが無くなったせいか、同じジャンルにハマることも無くなってしまった。なので、2021年の年賀状が、推しを把握していた最後の年賀状なんだと思う。

 

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 全然オタクじゃない友人に送った年賀状。勝手に当時好きだったZOCの香椎かてぃちゃんを描いている。今も、断捨離彼氏とかたまに聞く。男女問わず、アイドルはキラキラしてて好きだ。

 

   この年の全ての年賀状に「二宮和也」って書いていたらしく、年末の嵐の休止直前のライブ映像を見て慌ててた様子が伺えます。私の推しは大野智さんだったはずなんですが?話は違いますが、Sugarの二宮さんがかっこいいので、心の琴線に触れてたのはそこかもしれない。

 

 2020年は卒業論文に追われて年賀状を書けなかったので、これでここ数年の年賀状の変遷は終わりである。年賀状じゃなくても、たまの便りは悪くないと思う。今年は教授に送ったら返事が届いて嬉しかった。

 

年賀状の他にお歳暮のやり取りもしている。今年は美味しい国産ワインとますの寿司とカニ寿司のセットが届いた。高浜虚子の句も添えられていた。何となく、師走に届くそれらを見ると、誰かの記憶に私はいるのだと思って嬉しくなる。

 

  友人と連絡も取りやすくなるし、近況報告にもなる。今はLINEや通話といった簡単に連絡が取れる手段はあるけれど、形が残って無遠慮に送れる年賀状というのはどうでしょうか。まあ、2月におすすめすることでもないのですが、年末頭の片隅にあれば是非。ただ、先週、お返しの葉書が来て嬉しかったのです。