夏さ、また。

日々のことを、だらだら書いてるだけです。

風邪

週末に酷い風邪をひいた。家に体温計がないので、どの程度の風邪なのか客観的にお伝えすることは難しいのだが、今年一番の風邪に罹った。

 

原因は、コロナ禍だからとオンラインで行っていた会議を、リアル開催したからだと思われる。皆が反対する中強引に開催された会議は、人数にしては不釣り合いな狭い部屋に押し込まれて行われた。そして、開催を息巻いていた上司が次の日体調不良で休んだ。愚の骨頂である。

 

恨み言を連ねても、私の風邪は治らない。金曜日の朝は喉の痛みだけであったし、それもすぐに無くなったので元気に出社し、帰りに友人と広島焼きを食べた。

 

土曜日も比較的元気だった。確かに朝は喉が痛かったが、お昼頃には解消した。大口開けていびきでもかいていたか、久しぶりに吸った煙草か、薄着で寝たのが原因だろう。軽い気持ちで神保町のブックフェアに行く元気だってあったのだ。景気づけに屋台でお猪口1杯の日本酒を嗜み、意気揚々と歩き回る元気もあった。モネとゴッホの画集を買い、スーパーに寄って帰ることも出来た。

 

異変は夜に訪れた。それは、日本シリーズの第1戦が地上波でやるという情報を聞きつけ、ウキウキで1人家飲みをしている時に起こった。特に沢山の酒を飲んでいないのに体が熱い。そもそも、神保町で日本酒を飲んでからずっと汗が止まらない。そして、肌の表面がやけに敏感になり、服が接するとヤスリで軽く研がれたようなヒリつきがある。

 

試合では、大好きなオリックスの、これまた大好きな山本由伸選手が打ち込まれていた。徐々に私の体調も悪くなる。悪寒に耐えられなくなって、テレビと電気を消して布団に倒れ込んだ。その時飲んでいたのは檸檬堂だったのだが、レモン味だからビタミンが豊富だろうとそれだけは飲みきった。見事、悪化した。レモン酎ハイにビタミンを期待してはいけない。果実感は味だ。

 

20時ぐらいに倒れ込んで、布団を被るも悪寒が止まらない。こういう時に限って、家には毛布がない。でも毛布を買いに行く元気もない。ニトリの通販で毛布のページを見ても遅い。体温計もないので、この病が高熱から来るのか、はたまたメンタルが起因しているかも分からない。

 

寝続けて翌日。朝は少し元気だったので、慌てて貸出期限が迫っていた本を帰し、スーパーでアイスを買った。逃げ恥で星野源が風邪ひいた時、ガッキーに買ってきてもらってたからだ。私の家には星野源もガッキーもいないので、自分で買うしかない世知辛さ。太陽が空のてっぺんに登る頃、また悪寒がぶり返してきた。

 

家の布団に籠る。今日は友人と通話する約束がある。せめて、言葉を発するぐらいには回復したい。しかし、一人暮らしの部屋には何も無い。病院は日曜日で診察代が高いから行きたくない。うーんと唸って思い出す。生理痛のためにバファリンがあった。コロナのワクチン接種の際、副作用の高熱に効くと前の職場のおばさま方が教えてくたのだ。

 

何も無い胃にバファリンはよくないとも聞いていたので、スーパーカップを食べる。そして飲む。液体しか胃に入ってないがいいとしよう。よし、効果アリ。あんなに熱くて汗が止まらなかった体が静まり、吐き出す息の温度が落ち着いた。おかげで、友人とだらだら通話することができた。熱のせいで銀魂の終盤の展開がずっと思い出せなくて友人に突っ込まれてたけど。

 

バファリンを飲めば無敵である。夕方、解熱剤が切れてきたので、ふらふらとアパートのゴミ捨て場近くにある自販機にお茶を買いに行ったら、自販機が撤去されてるという嫌なサプライズがあった。しかし、バファリンさえ飲めば無敵なのだ。

 

食欲がない中、インスタントそばに卵を落としたものを義務感を持って飲む。なぜ油揚げタイプでなく、くどい天ぷらを買ったのか。馬鹿か己。そしてバファリン。時刻は19時。これは明日の朝には熱が下がっているだろう。こういう過剰な自信に満ち溢れている時、人は大抵上手くいかないのだ。受験だって転職活動だって、そうやって失敗してきたのに学ばないのだ。

 

苦しかった。今までとは比べ物にならないぐらいの汗。溢れる鼻水。汗と鼻水で脱水症状になるんじゃないかと恐れて水を取りに行くも、そのせいで目が覚めて眠れない。横になりすぎて痛くなる腰。教科書に載ってた正岡子規の話で床ずれを恐れている身としては想像力が恐怖の方に傾いて余計眠れない。

 

少ない有給を病気で減らしくたくない。私はこの有給を遊びに使いたい。治療費も遊びにつかたい。優しい彼氏が、わざわざ日曜日にやってる近所の病院をLINEで送ってくれても、私は己の免疫力をもって治したい。治ってくれ。

 

翌朝。今までの悪寒も熱もどこかにいってしまった。残っているのは、じっとりと湿った服とシーツだ。それと寝てる間に咳き込んだのか、胸の辺りの筋肉痛。これだけの汗をかいたということは、己の中の白血球くん含めてチーム免疫が決戦を繰り広げてくれたのだろう。鼻水は水攻め、咳は狼煙か。解熱した身体と引き換えに、雪解け季節の小川のようにサラサラと流れる透明な鼻水を手に入れた。

 

透明な鼻水、たまに出る咳。人って自分の鼻水で溺れるんだなっていう嫌な経験だけしてしまったが、出社できたのでよしとしよう。ちゃんとお昼にバファリンも買ったので、これからはバファリン(恩人)と二人三脚、コンクリートジャングルトーキョーで暮らしていきたいと思う。とにかく、季節の変わり目に密室!体調不良にお気を付けを。