この夏は数少ない友人たちと会ったり、一人でふらふら知らないお店に飛び込んだりすることが多かった。灼熱の東京を生き抜くために、気づいたら片手にビールジョッキがあった。一人の酒も、友人との酒もそれぞれ楽しい。
①新宿
高校を卒業してから会ってなかった友人と、前に私の家に居候した結果東京に越してきた友人。どちらも高校の同級生だ。用事があるから都内に遊びに来るというので、じゃあ新宿で飲もう!どうせならチェーン店では無くて、東京らしい文化と歴史に溢れた店に行こうじゃないか。
そんな訳で予約してやってきたのは新宿三丁目駅に近いどん底という居酒屋。昭和からいろんな俳優が通い、三島由紀夫が文章に残したお店。歴史的なお酒なお店というと古風な和食の居酒屋が多いイメージだが、ここは洋風。ハイカラだ。
見た目から蔦に覆われて入りにくい。絶対予約してなかったら足を向けにくい。でもさっき私は新宿の喫煙可のとてもいい純喫茶を見つけて、学生の頃よくやってた煙草とコーヒーという格好つけセットを堪能したのだ。気持ちはサブカル野郎だ。
RPGに出てくる街の居酒屋のような内観。倒された先は細い階段をぬるぬる登った場所。大学生の集まりをまれば、サラリーマンもいる。なんなら、還暦を迎えた同級生の集まりも見られる。みんな陽気に飲んでいる。
母校の名前を叫んで乾杯。写真のピザはチーズがとろとろ、奥の塊肉のチャーシューもトロトロ。丁寧な料理に感動する我々。私はずっと「ドンカク」を飲んでた。ちょっと薬草の風味がする柑橘系のお酒。美味しい。
途中で友人の幼馴染がやってきた。二人はこのあと、近くの映画館でオールナイト上映に望むらしい。特典のために何回も同じ映画を見ているとのこと。逞しい。
結果途中でやってた友人もお腹が減ってたから、ドライカレーを2回食べた。2回食べて、2回美味しい。お腹が減ってた時は是非注文してください。地元からきた友人は、遅くまで飲んだせいでキャリーバッグを入れてたコインロッカーが閉まってせいで、翌朝また新宿まで来たらしい。申し訳ない。
でも楽しかった!この東京の新宿で、片田舎出身の我々が集まるってことだけで奇妙で面白い。
遅れてくる友人に送ったからかメニューの写真が。どれも美味しい。
②鎌倉
この前江ノ島と鎌倉に行った。理由は、むかし一人で江ノ島に行った思い出を上書きしたかったから。ハトサブレの本店でグッズを買いたかったから。スラムダンクのキャラが生活してる土地を見たかったから。挙げたらキリがない。
沢山写真を撮ったから、暇な時に改めてブログにあげようと思ってるので、ビールを飲んだところだけ。鶴岡八幡宮の近くに、ソーセージとビールがサクッと飲めるお店があって立ち寄ったのだ。余談だが、ずっと鶴岡と呼んでしまってた。山形県に鶴岡市があるので許して欲しい。そして恥ずかしい。
ソーセージ盛り。誰も味も食感も違くて美味しい。お気に入りはハーブ系のものです。どんなにいいソーセージを買っても焼き方が下手ので、お店で焼いてもらったプリッとした弾力のあるソーセージを食べるのが好きです。
クラフトビールはそんなに飲まないのですが、鎌倉ビールは飲みやすくて美味しかったです。苦くなくて、爽やかな味わいがこってりしたソーセージを流してくれます。
家の近くの大衆居酒屋。ずっと気になってた。酒の種類がホッピーやビールだけという、安くて美味しい最高の店。最近居酒屋でお新香や糠漬けを頼んじゃいます。箸休めがあると無限に呑める。
③日高屋
清澄白河に落語を聞きに行った。といっても夜なのでお腹が減る。その前にサクッと食べようと考えていたのだが、会社の人たちに「清澄白河は夜やってる飲食店は少ない」「チェーンはない」とアドバイスされ、門前仲町で食べることにした。
そうしたら、駅に日高屋があった。サブウェイと迷ったが、生ビールの誘惑には勝てない。平日の仕事終わりに生ビールなんて、贅の極み。しかも行ったことがない。安い中華チェーンといえば幸楽苑だったので。
あまりに急いで食べたからか写真がない。確か、餃子とチャーハンと春巻きを食べた気がする。春巻きがあると頼んじゃう。絶対勇んで食べて、上顎か舌先を火傷するのに。それでも学ばずに齧り付き、即座にビールを流し込む。口の中が温度差で整ってるということで。
写真がないなも寂しいので、落語のネタ帳の写真を。この日聴きに行ったのは、江戸深川資料館でやっていた柳家さん喬さんの独演会でした。前に国立演芸場で聴いた時に惹かれました。かといって落語に詳しくないけど、それでもいい時間を過ごしたなって思えるから凄い。
ゲストとしていらっしゃっていた、上方落語の露の新治さんも面白くて、笑った笑った。人情噺をさん喬さんで堪能し、新治さんで大笑い。平日のど真ん中にしては、最高に充実した夜でした。
浴衣着てくるおじさん達がいて、形から入るんだなあって思ったら、大声で幕間に他に落語家の悪口を言ってて、どんな場所でも金を持ってる人でも嫌な奴は嫌な奴なんだなってことも感じました。落語のホームグラウンドでお客さんも沢山座ってるのにね。
④有楽町
嫌なことが重なり続け、開放されたい!!と有楽町をぶらぶら。有楽町から新橋の、ごちゃごちゃしたガード下のことを楽園って呼んでます。
東京のいい所。誰も私に関心がないところ。なのに道に人はいるところ。そして、立ち飲み屋があるところ。カルビとニラの炒め物とビールで1000円に満たない楽園。
隣で飲んでるおじさんが同じ東北出身で、ヤクルトが好きらしく、人生相談を沢山してしまった。絡み酒である。ちょっと恥ずかしいので、しばらく時間を置いたら、また行こう。
⑤人形町
Twitterで知り合った友人たちと、人形町にあるハシゴ楼に行きました。この日はカラオケを含めて6件行きました。昼から飲み続けて始発で帰る破滅的な飲み。年に1回はやりたい、己の若さを試す飲み。これができる友人って貴重だよね。
あんなにハシゴ酒したのに写真がそんなにないという。これは確かおでんかな。友人たちは故郷がバラバラなんですが、お盆の帰省でみんな日本酒買ってきてくれて交換したのが嬉しかったです。
タコス!!東京駅にある別店舗は行ったことあるんですが、相変わらず美味しい。煮込んだ肉ってなんでこんなに旨みが際立つの?飲み物?
大きなレタスの肉巻き。ここで初めて海ぶどうを食べたなあ。食べ応え十分で美味しかった。目の前で焼いてくれるし。
日本酒もの見ました。これめっちゃ美味しかった。
確か残ってる記憶を辿るに、1階にある神田に本店舗があるビアホールみたいなところでレモンサワーを飲む→沖縄と北海道みたいな居酒屋で肉巻きと松前漬け→生牡蠣とワインを堪能→タコスを食べてスパイス注入→鶏だしのおでんを食べてほっと落ち着く→移動して絶品和食居酒屋で日本酒を堪能→泥酔でカラオケ爆睡→始発帰宅。
楽しかったね!!馬鹿だね!!いい馬鹿だ!!付き合ってれた友人たちに大感謝。ハシゴ酒最高!次はまた違う街で飲みたい。
⑥池袋
アイナナの映画を60回以上見ている友人に誘われて、仕事終わりに見てきました。痛バが眩しい。新しくなったアニメイトに初めて行き、相変わらずエスカレーターが導入されずに階段なのかーいとツッコミを入れ、バーガーキングでハンバーガー食べました。違う友人におすすめされたんですが、課金してオニオンリングを食べるのがおすすめです。
映画館に入ったら、女の子だらけで満員。そして、みんな色とりどりのペンライトを両手に持っている。振り向いて友人に確認すると「応援上映です」との事。シアター入ってから通告するな。
アイナナの知識がゲームの最初の方しかしてないのでキャラ名が分かる+Day.1しか見ていないという初心者。友人が押えたのはど真ん中の席。ŹOOĻの記念日なのか周りは本気のオタクたち。初見の人間、この空間に私しかいなくない?
友人が映画見ながらビール飲むのをやってみたいということで乾杯。結果、ペンライトに忙しくてそんなに飲めず。それだけ楽しかったことです。Re:valeの百ちゃんが可愛い顔なのに表情が大人っぽくて好きです。あとはずっと友人の推しのペンライト振って、あれが君の彼氏かって面で楽しみました。また行きたい。
⑦巣鴨
なんもやることがないけど、せっかく東京に住んでいるならどっか行こうと本を持って出かけた巣鴨。地蔵通り商店街を歩いていたら並んでる人がいたので、そのまま後ろに並んでたら人気の餃子屋でした。
初めて食べるホワイト餃子。大学生の頃、金沢に第七ギョーザっていうホワイト餃子の人気店があるって噂を聞いたことがあったけど、金沢は遠いし車もないから諦めてたのですが、こんなところで食べれるとは。
ファイト餃子というお店。皮は甘め。周りの玄人はお酢とラー油で食べてました。長野のお焼きのような優しいお味と、サクッとした食感が堪らない。ビールが進む!15時なのに満席!すごい!!
この後、とげぬき地蔵に行ってお線香あげたり、巣鴨駅前の和菓子屋で塩大福と桜のくず餅を買いました。楽しい。人が優しい。
でも、最後に本を読むために行った純喫茶で、隣のお客さんたちが投資の話をしてたんですが、急に400万円の札束を数え始めた時は怖かった。新宿のルノワールじゃしないんだぞ。巣鴨でふらっと400万円おろして数えて、銀行に向かわないでくれ。
帰りに大塚の方を散歩して歩いたんですが、細い路地と先程の札束がミスマッチすぎて、時折振り返りながら帰りました。どんな街なんだ巣鴨。池袋や新宿以外も怖い街はあるんだなあ。伊坂幸太郎さんの作品を最近読んでるので、日常の隣に潜むアンバランスな事件が肌に沁みました。
以上、私の酒の記憶。色んな人にもあったりして、1人でも数人でも東京の生活は楽しいです。