夏さ、また。

日々のことを、だらだら書いてるだけです。

付き合って1年でした。

 あけましておめでとうございます。有機栽培です。

 

 気がついたら年が明け、私の誕生日がやってきて、いつの間にか彼氏と付き合ってから1年が経過してました。最近は時間の経過にかなり鈍感になってます。付き合って3ヶ月だと思ってる日もあれば、3年ぐらい経っててもおかしくない気がしたりします。

 

 付き合う前は社会人一年目で、このままずっと好きでもない人達と好きでもない仕事をして、ずっと生きていくんだろうなっていう絶望で頭がいっぱいでした。月に1回ぐらい友達と遊べたらよくて、明日も明後日も数年後もただ心臓を動かすために生きると思ってました。

 

 でも長く生きるという絶望には耐えられないので、両親が死んだ後に30歳ぐらいで意味の無い自死を選ぶんだろうなって考えて。でも死ぬ自信はないから貯金だけしてました。死ぬために生きる、希望無く生きるということは、常に頭が死ぬことばかり考えてしまって精神的に不安定になります。実際に病んでました。

 

 それが付き合って、人生を一週間単位で捉えるようになりました。彼は転勤族なので車やバイクを持っていません。なので私が金曜の夜に車で彼の家に行くのが習慣になりました。そのまま週末を過ごして日曜日の夜に帰る。そんなルーティンが生まれました。

 

  最初は人の週末を奪うのは申し訳ないと一日で帰ってましたが、ズルズルと気がつけば週末は彼の家で過ごすように。最初は家に行くねーって連絡をしてたけど、今は会えない時だけ連絡するようになっています。

 

 この週末のルーティンのおかげで、どんなに嫌なことが仕事であってもリセットできるようになりました。基本週末のことを考えて仕事を乗り越え、たまに1ヶ月後ぐらいに予約した旅館やイベントを楽しみにするぐらい。日々が一週間単位になったので、不透明で不安な将来のことを考えなくなりました。これが大変ありがたく、ずっと不調だったメンタルが安定しました。

 

 最近の金曜日は、仕事終わりにスーパーによってお惣菜を1つ、安い野菜を何個か、あとリクエストがあったメイン食材と彼が好きなキリン一番搾り500mlと私が飲む適当なビール缶を購入します。そして部屋で落ち合ってお惣菜をレンチン。相手の空腹を見たしてる間に何品か作って、お風呂の湯を沸かす。前に彼が買った電気圧力鍋を仕込んだら風呂に入る。そしてTVerで30分ぐらいの深夜番組かマツコの番組を見ます。そして歯を磨いて、大きな人間2人が小さなベットで寝ます。

 

 TVerが導入される前はアマプラで孤独のグルメといろはに千鳥を全話見ました。前は金曜日は飲みに行ったりもしたけれど、最近は自炊で落ち着いています。布団も前は敷布団敷いて別々に寝てたんですが、面倒くさくなったのか自然に敷かなくなりました。

 

 月曜日が有給だった時は仕事に行く彼を見送って、昼ぐらいに起きて近くのインドカレーを食べたり、お惣菜を買います。その後スーパーで広告の品の野菜と肉を購入して、一週間の常備菜を何種類が作ります。たまに帰ってきた彼と一緒に食べて、夜中にブーンと車を飛ばして帰ります。

 

  昔から料理が好きで、自分が作った料理で人が喜ぶのが嬉しい人間です。実家住みになり料理も殆どしなくなっていたので、自由に料理ができる環境と時間が自分にとってどれだけありがたいか知りました。

 

 だって料理をしている時は余計なことを考えず、ただ効率の良い調理手順を考えればいいのです。美味しいものが出来たら達成感も得られるし、外で食べるより安くて量が多い。特に私はこれを作りたい!って気持ちでスーパーに行くより、安い食材を探しながら考えるのが好きです。

 

 今日は蕪が安いからスライサーで薄くしてツナマヨで和えたり、ナスは全部揚げ浸しにして残りは彼の生活を支えられるように。晩御飯に米を食べない彼は満足しないとインスタント麺を食べ始めかねないから、味の濃い肉料理を野菜でかさ増しして酒も飲ませる。味は被らないように気をつける。ガスコンロ1つで効率よく作る。彼は辛いのが好きだから常備菜は種の抜いた鷹の爪を入れる。そして人参とかぼちゃが苦手。

 

 出会った時の彼の晩御飯はレンチンしたキャベツか玉ねぎにポン酢をかけたものでした。社会人初一人暮らしは確かに大変だけど、その名前のない料理をずっと食べ続けてるのを見たら、作らざるを得なかった。ラーメンとお酒が好きだけど痩せたいから野菜をとるためとはいえ、とにかく名前のついたご飯を食べて欲しい。平日だからといって食という一日の喜びを諦めないで欲しい。そんな気持ちです。私は趣味であるので負担じゃないし、材料費貰えるのでウキウキで作ってます。

 

 ご飯を作ること。それは私が彼にできる精一杯の愛情表現なんだと思います。少しでも美味しいものを食べて、栄養のあるものを食べて、生活の負担が減ればいい。

 

 この一年間施されてばかりでした。車の運転は彼がいつも代わってくれました。遠出をする時とか殆ど運転してくれる。奢りは嫌だ割り勘だと私が決めたのに、いつも多めに払ってくれる。行きたい場所も調べてくれるし、予約もしてくれる。部屋は常に清潔で、私のパジャマを用意してくれる。生理痛が酷いと痛み止めを出してくれる。一緒にお風呂入ってるのに寝落ちしたら髪の毛洗ってくれて起こしてくれる。夜中に電話したら出てくれたり、私が好きそうという理由で色々買ってきてくれる。家出したら匿ってくれる。他にも沢山。

 

 私に出来ることは料理だけ。料理と、車の提供と、肩を叩くのと、性的なことぐらいで。どれも課金したら他の人がやってくれることなので、実質私じゃなくてもいい。

 

  それでも、私は料理を作ります。少しでも甲斐性があるところを見せて、一緒にいるメリットを提示し続けます。そうしないと一緒にいる資格がないように思えて、不安になってしまうから。不純な動機で、真心のような家庭料理を。もし何か気に障って別れてしまっても、私のご飯をたまに思い出して貰えるようにと。

 

 そんなことを常に考えてました。人と付き合ったことがない人間は、人の愛情に懐疑的です。自己肯定感が低いと、それはさらに顕著になります。

 

 最終的に「私みたいなゴミに時間を使ってもらったり、思いやってもらったりするのは本当に申し訳ない別れる未来が見えるああでも捨てられたら死んじゃう」という立派なメンヘラの誕生です。

 

 彼もそれを察しているのか元カノの話題は避けてくれるし聞いても答えません。なんで付き合ったの?どんなとこが好きなの?って酔って聞いても「全部」っていうオールラウンダーな答えしか言いません。彼の恋愛経験値が生み出す最適解。でも具体性がないと人はまた不安になっちゃう訳で。味付けしょっぱくても頑張って美味しく食べてくれる人だから余計にね。

 

 先日、誕生日でした。家で過ごしていたので、お酒も飲んじゃって。気持ちも大きくなってるから聞きますよね。「どこが、何してる時が好きなの?」と。面倒くさい女と重々承知なんですが、人は言葉が欲しい。誕生日なんで余計に欲しい。嘘でもいいから喜びたい。

 

そしたら、 「一緒に朝布団の中でうだうだしてる時間が好き」って答えたんですよ。私この言葉だけで次の誕生日まで生きていけるって思いました。今も思ってる。

 

 寝つきがのび太で朝7時には必ず目が覚める私と、寝つきが悪くて最低でも昼まで寝ないと疲れが取れない彼のリズムはかなり違くて、正直絶対迷惑かけてると思っていた。私は起きてしまうのであっちが起きるまでスマホを弄ってるんですが、私がガサガサしたら彼の睡眠は妨げられます。彼は寝起きで微睡んでいても、私はスマホに飽きて身体はシャッキリしてるのでテンションが違う。彼はきっと疲れが取れてない。最大の障壁でした。

 

 それが布団の中が好きという。1人で寝るより私と寝るのが好きという。布団で寝るのは誰とでもできるけど、私がいいという。私たちが関係を続ける上で懸念材料だった時間が、彼は好きだという。お金もかからず、365日いつでもできることが、彼は好きだという。

 

  どうやら私は、この家にいていいらしい。居場所がありました。喜び。無敵になれる喜び。彼も結構私の事気に入ってくれてるらしい。すごい。いるだけで嬉しいらしい。それって最上級の愛だよね。

 

  私が朝早く起きて、スマホに充電器を探すとモゾモゾすると。いなくなると思ったのかぎゅっと身体に腕が回る。息が苦しくてちょっと抜け出すと放置されて、今度はメガネを取ろうとするとぎゅっとされる。聞いてみると記憶が無いらしい。寝てる間に抱きしめられ、それは無意識下の行動なわけで。この上なく嬉しいわけで。

 

 寝てる間の本能の行動が、毎週私の心を救う。他人に抱き締められるという幸福感は、何事にも耐え難い。必要とされるということ、居場所があるということ。それはとっても心地よくて、嬉しい現実だ。

 

 だから、私は今週末も料理を作る。美味しいものを食べて喜んでいるあなたを見るのが嬉しいから。同じ幸せを共有したいから。2人だけの幸せをこの部屋の中で完結させたいから。あなたが私を救ってくれたように、私もいつかあなたの蜘蛛の糸になりたいと思うのは傲慢なのだろうか。

 

  彼の家から職場に向かう場合、いつもより一時間早く家を出ないといけないので、今のところ同居は考えてない。来年もきっと週末だけ会う生活が続くでしょう。お互い仕事も責任が増えて、今まで通りいかなくなるかもしれない。すれ違いが起きて、来年は一緒にいないかもしれない。

 

 それでも今。美味しいもの食べで、小さなベッドで体を寄せ合う週末は幸せである。いつか福岡に旅行したいねって、コロナが終わった世界の約束をする私たちは幸せである。

 

 この瞬間、この刹那。世界はワンルームしかなくて、私たちしかいない。社会とか仕事か家族とか世間となんもなくて、美味しいご飯とお酒だけある。この隔絶された幸せを、私は永遠だと思うことにした。

 

 短くて長かった1年間が終わりました。楽しい1年間をありがとう。沢山の施しをありがとう。心を救ってくれてありがとう。あなたのたった一言で、私は無敵になれる。

 

 これからの1年間、一緒にいられたらこの上ない幸せです。あなたに与えられた思いやりを胸にしまい、今年は沢山お返しをしたい。バレンタインがそろそろですね。

 

 この土地の冬は寒くて、東京出身なあなたにとっては厳しい土地だけど、私と過ごした思い出と共にいつか懐かしい場所になれたら幸いです。窓の外が氷点下でも、ベットの中は温かだから。いつかあなたがこの土地を思い出すとき、駅前や職場じゃなくてこのワンルームを思い出してね。

 

 「金曜日だよ!嬉しいね!帰りにスーパー寄るから食べたいものある?」というLINEを、私は今週末も送るでしょう。この日々がずっと続きますようにと願ってやまない。

 

 今まで信じてなかった不確かな未来を、ようやく自分の意思で歩もうとしています。来年も一緒ならきっと楽しいでしょう。未来が怖くなくなったのは、ひとりじゃないと思えたからです。

 

 24歳になりました。人生で初めて、歳をとることが嬉しかったです。来年も一緒なら、もう怖いものはないね。週末だけの逢瀬が私たちの居場所。当たり前のように同じ布団で寝て、朝を迎えたらコーヒーでも飲もうか。

 

 

 

 

 

 

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誕生日に作ってもらった豚バラの煮込み。美味しかった。