夏さ、また。

日々のことを、だらだら書いてるだけです。

ルーヴル美術館展と江戸絵画の華展

お疲れ様です。有機栽培です。

 

東京に引越してしばらく経ちました。酒を飲んで気づいたら埼玉にいたり、山手線を1周したり。ほんと、一人で帰る時に酒を飲んではいけないと強く思いながら生きております。目をつぶって開いた時、お尻が痛かったらそれは寝過ごしいるのです。

 

 さて、私が東京に引っ越した理由の一つが、展覧会に沢山行くという夢があったからです。

 

 と言いましても、そんなに頻繁に行くお金も時間も体力もないのですが。しかし、せっかく行けたのなら、それを記憶の中に埋めておくのではなく、ここで日記のように残していきたいと思います。

 

なお、私は美術館は好きだが知識はWikipedia山田五郎さんのYouTube便りのにわかです!

 

国立新美術館ルーヴル美術館展 愛を描く」

 

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 職場で前もって「展覧会が好きです!金曜日は可能なら定時で帰り、夜間開館に行きたいとと思っています!」と言ってたのが浸透しており、転職して1週間目の仕事ない時期も重なり行けたのがルーヴル展。ポスターがとても目を引く。

 

今回初めてノイズキャンセリング機能のあるイヤホンを装着して回ったのですが、周りが気にならなくて最高でした。特に、人気が高そうで分かりやすそうなコンセプトの展覧会は、人と行くと感想を言いたくなっちゃう。だからこそぼっちの相棒ノイズキャンセリング。心か平和。

 

 展覧会のテーマは「愛」。恋する模様とか、この人を奪いたいほど好きとか。家族の慈愛の空間や、今すぐ抱きたいという情熱や、神様への恍惚。好きな人と一緒になれた嬉しさとか。そんな色んな形の愛をテーマに、ルーヴル美術館収蔵の作品が集まっています。

 

 日本人が好きなフェルメールとかモネとかではないのですが、テーマが分かるから見応えがあります。愛は普遍的なので、時代が違っても我々と同じような心の動きが共感できたりします。

 

 目玉作品と言えば、やはりジャン・オノレ・フラゴナールの「かんぬき」ではないでしょうか。ロココ時代の代名詞と言われる、女の子が森の中でぶらんこを漕いでいて、それを貴族?の男の人が下から見ている絵画が有名な人です。

 

この「かんぬき」は、今まさに女の人と一夜を共にしようとしている人が、かんぬき、つまり部屋の扉の鍵を閉めようとしている瞬間を描いています。女の人は抵抗してるのか、諦めているのか。文字にすると俗っぽい絵に思えますが、実際に見てみると神秘的です。真っ赤な天蓋と、シルクのようなベッドが美しいです。

 

また、全体を通して知ってると楽しいのは、愛のキューピット「アモル」の存在。アフロディーテの子供です。西洋絵画では良く、好きあった人達の周りにキューピットが飛んでいます。この子達の様子で、私たちはその愛が盛り上がってるかどうかとか、好きという気持ちを知れたりするのです。

 

 アモルは産まれてから、すくすくと成長していきます。お母さんに怒られてほかの神様のところに逃げたり、そんな様子を描いた絵も展示されています。神様なのに人間らしくて可愛いです。

 

アモルは、お母さんであるアフロディーテに、美人で有名な王女であるプシュケを醜い男と結婚させろと命令されます。美の神様であるアフロディーテは、美人な王女に嫉妬していたのです。しかし、アモルはプシュケのあまりの綺麗さに見とれてしまい、誤って己がプシュケに恋してしまうのです。

 

2人は一緒に暮らすようになるのですが、神と人間。アモルは、プシュケに自分の姿を見ないで欲しいとお願いし、夜の闇の間だけ一緒に暮らしました。しかし、見るなと言われると見たくなるのが人間。プシュケはこっそり寝ているアモルの姿を見てしまうんですが、神様ということに驚いてしまって起こしてしまうんですね。

 

それが原因で2人は会えなくなってしまいます。プシュケは己の行動を悔いて、また会いたいとアモルを探す旅に出ます。アフロディーテからの試練にも耐え、最後に2人は結婚式を挙げることができたのです。この結婚式の絵も展示されています。まだ認めたくないアフロディーテがそっぽを向いてるのがかわいいです。

 

 最初に載せた今回のポスターの絵も、アモルとプシュケです。この絵は確か、アモルが初めてプシュケにキスをした場面を描いたとも言われています。初めてだったら、困惑もするよなあ。絶世の美女でも、最初は初々しいのだなあ。とちょっと少女漫画のようで可憐ですね。

 

私は最初の方に展示されていた、フランソワ・ブーシェの「アモルの標的」がお気に入りです。沢山のキューピット達の、腕がモチモチしててかわいいんです。そして、中には恋の矢が見事に射ている的もあるし、恋が終わって矢を燃やしてるのもあったり。あと、同じ作者が書いた「褐色の髪のオダリスク」も色っぽくてすっごく好きです。

 

詳しくは公式サイトを見てみると、沢山の解説が読めるのでおすすめです。これから行こうと思っている人は、是非週末の夜間開館時間を狙ってください。事前チケット予約も忘れずに。

 
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閉館ギリギリまでいた国立新美術館。4年ぶりぐらいに行ったのですが、相変わらずキラキラしてて、「東京」を感じられて好きです。地下鉄から真っ直ぐ来れるのもいいですが、やっぱ外観を見たくなります。


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 東京に来たばかりだったので、もっと都会を感じたかった私は、六本木ヒルズを見ながら広尾まで歩きました。途中で高そうなレストラン、アメリカ軍の駐在所、そして1個1個注文して作っただろうセコムしてる高級な家々を見て、なんか寂しくなって帰りました。

 

 

 

出光美術館「江戸絵画の華〈第2部〉京都画壇と江戸琳派

 

 3/26日で終わってしまった展覧会。最後にギリギリ滑り込みました。ここは事前にチケットを買わなくてはいいのですが、行く時間帯の予約は必要なのでお忘れなく。

 

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 こちらは2019年に出光美術館が、有名なアメリカ人コレクターであるプライス夫妻から購入した珠玉の日本画を展示するものです。第1部は伊藤若冲の鳥獣華木図屏風絵(勝手に手塚治虫って呼んでるアニマルオールスターのタイルのような屏風絵・珍しく象もいる)がメインの若冲と江戸絵画展をやっていました。

 

今回は第2部。目玉は円山応挙でしょう。懸崖飛泉図屛風は水墨画の大きな屏風絵。ぎっしり描かれていないはずなのに、霧が余白に充満しているせいか、密に感じられます。また、他の作者の作品では何千匹の鶴を描いた屏風絵があるのですが、完成していないため下書きがよく見えて感心します。

 

そして、今回の展覧会の目玉として据えられた、円山応挙の「虎図」。猫っぽい可愛さもありますが、獰猛さも兼ね備えた目力の強さ。円山応挙は写実的に描くことも重視しており、コミカルなシルエットに対して、近寄ると毛が一本一本描かれていることに気づいて度肝を抜かれます。

 

ほかの作家の描いた虎を見ることも出来るので、作者ごとの特色を感じられる面白い展示もあって楽しかったです。

 

個人的に嬉しかったのは、酒井抱一。まずは簡単に琳派の流れを紹介します。風神雷神の屏風絵で有名な俵屋宗達本阿弥光悦桃山時代に始め、その後彼らの作品を見た尾形光琳が個人的に尊敬し、模写をしたりして意思を継いでいきます。カキツバタや、紅白の梅の屏風絵が有名ですね。

 

そして尾形光琳の死後、また個人的にファンとなった酒井抱一や鈴木其一が、模写や画風を取り込んで発展させていきました。直接師匠関係を結んで教えてもらった訳では無いにも関わらず、作品の魅力に取り憑かれて人生を捧げた不思議な流派。これが、琳派のざっくりとした流れです。

 

琳派というと字から尾形光琳が始まりのように思えるのですが、開始は俵屋宗達の頃。ただ、その時はもちろん琳派という名前はないという。でも、結構な人が俵屋宗達風神雷神の屏風を模写して、自分なりのアレンジを加えた作品を残しています。それを見比べても面白いです。

 

 前置きが長くなりました。私の推し、酒井抱一。彼との最初の出会いは、震災後に東北を巡回していた「若冲がやってきた」という展覧会、その後、福島県立美術館の「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品展」を経て、この前行った「大蒔絵展」で大好きなった人です。

 

 藩主の次男坊に生まれた酒井抱一の作品は、スッキリしてるんですよね。でも、写実的。私は彼が書く、木の幹や葉に滲むたらしこみが好きです。じわっと違う色が入るのは、水彩画みたいで美しい。あと、動物も可愛い。

 

今回の展示では、厳密には違うのですが、月にあった植物と生き物が描かれた大きな屏風絵がありました。宮内庁にある花鳥十二ヶ月図の別バージョンのようなものです。虫とかも描かれてきて、一瞬何が描かれているのか分からないなあと思ったら、草むらの中にかまきりがいたり、花の近くに蜂が飛んでいたり。

 

この絵がずらっと並んでいるのは圧巻。写実的な流れも組んでるので、目をこらすと案外細やか。でもすっきりしている。これをカレンダー替わりに飾った人はさぞかし満足だったでしょう。だって季節の一番綺麗なところがありますから。

 

四季草花図・三十六歌仙色紙貼交屏風も綺麗でした。私はあまり詳しくないのですが、三十六歌仙が描かれている絵も多いので、人気のテーマだったのでしょうか。名前を覚えてないので、いつも在原業平がイケメンかどうか確認しています。

 

 他にも、海老と鶴と松といった縁起のいいものをぎゅっと詰め込んだ鈴木其一の絵もありました。正月に飾るのかな。海老の赤が鮮やか。日本の絵を見に行くと、やっぱ生活が自分と地続きなような気がして面白いです。これは年賀状みたいにして貰ってみたい。


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 外には写真撮影ブースもありました。よく見ると俵屋宗達の虎図の左側に、お祝いの海老の絵がありますね。


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 出光美術館は初めて来たのですが、帝国劇場の中にあってびっくりしました。そして皇居が一望できる休憩所もあります。すごい東京を感じられて、引っ越したばかりの私はぼーっと眺めてしまいました。道路も横断してるし、遠くの気が生い茂っているところに住まいがあるのかな。

 

三井記念美術館の「大蒔絵展」の時もそうでしたが、財閥系?の展覧会は床の絨毯や建物も煌びやかで楽しいです。そしてなんかお客さんも年配の方や、着物を着ている人もいました。なんか、すっごい品のいい空間にいていいのかと不安になりますが、いいんです!あと、展示ケースがすごい綺麗でした。

 

 

以上!私が最近行った展覧会の感想でした。4月はどこに行こうかなあ。永青文庫の刀や、東博東福寺も気になりますが、昔確か京都国立博物館の「国宝展」で見た尾形光琳の杜若の屏風絵を、根津美術館に見に行きたいなと思ってます。

 

桜も満開で、暖かい日が続きます。ぜひ展覧会へ行ってみてください。