夏さ、また。

日々のことを、だらだら書いてるだけです。

引越し直前憂鬱SP!

 

 お疲れ様です。有機栽培です。

 

彼氏の転勤は今年もないらしく、それならば売ろうとしていた私の車が欲しいということで、車検に出しました。さっそく出して明日取りに来ようと思ったら、今日の夜には終わるとのこと。引っ越し直前なのに、3時間暇になってしまった。

 

帰るのも大変なので、車屋の近くの本屋に行きました。せっかくの空いた時間なのだから本でも読もうと思ったのに、2時間歩き回って足が疲れただけでした。こうなるなら、家にある読んでいない本を持ってくればよかった。

 

 あんなに文庫コーナーを往復したのに、ちっとも心が弾まなかった。買おうと思った、聖の青春も正欲も在庫がなかった。結果、漫画雑誌と生活雑誌を立ち読みして終わり。買おうと思って買えなかった本屋ほど、疲れるものは無いね。

 

「〇〇直前SP!!」的な言葉をたまに新聞のラテ欄で見かける。最近だと、アメトークWBC直前SPみたいな。この後やってくる祭りに向けた、ポジティブな感情がひしひしと伝わる陽気な言葉だ。

 

 しかし、私は憂鬱SP。来週、とうとう東京に引っ越す。そのため、荷物をダンボールに詰めたりしているのだが、あんまり楽しくない。楽しく無さすぎて、2日間ほとんど飲まず食わずで寝そべってたぐらいだ。なお、引っ越したら次は「出勤直前憂鬱SP!」が始まります。

 

 今まで、自分で決めたはいいもののふわふわしていた「上京」「転職」「一人暮らし」「新しい職場」「通勤」という言葉が重々しくのしかかる。輪郭と質量を持って私に襲いかかる。何となく他人の話だと思っていたが、どうやら私の話らしい。

 

心無しか犬が近くに寄ってくるし、母親も優しそうである。別れを惜しまれているのかもしれない。特に夢も希望も金もないくせに、現実逃避で東京に逃げ出す私は裏切り者か。

 

そしてお金も飛んでいく。ざっと70万円ぐらいかかったんじゃないか。家電やら家具やら、値上げのビッグウェーブが始まって居着いた時に買ったせいか、何でも高い。でも生活環境に妥協ができないので、ガンガン買ってしまう。

 

服も今のところオンラインショップのカートに入っており、引っ越した瞬間注文する予定だ。12月から有給消化→退職コンボを決めたのだが、久しぶりにオフィスカジュアル用のズボンに足を通したところ、お腹が締まらなかった。要するに、太った。

 

太った!!太った!!太った!!前かがみになると、背中が出る!いつもより身体が広い!!着れる服がないので服屋が楽しくない!!こちとら身長と足のサイズで元々選択肢が少ないのに、どうしてくれんじゃ!!ファッションの楽しみが!!と思いながら、もしゃっとポテチを食べてたわしのバカ!!!!

 

退職の勢いのまま髪にブリーチをした結果、きっしきしのぱっさぱさになった私の髪は醜いし、お腹は出て肥満の仲間入りだし、キラキラ上京生活どこ行ったの?初対面が人間関係大事なのに、2週間後までに痩せるわけないじゃん!!

 

無職の間、特に何もせず飲んで食って旅行してを繰り返したのが後悔。てか、上京しなければそのお金でヨーロッパ周遊できたんじゃないか?という考えが脳を支配しそうだ。やめて。

 

 何回もニトリに行って店員さんの顔を覚えられてしまい恥ずかしいし、近所の人からの視線は生あたたかいし。母親は私に捨てられたと思ってそうだし。彼氏とは遠距離になるし。引っ越しは大変そうだし。

 

遠距離!!そう!!遠距離!!ざっと月に3万円近く交通費に消える。3万円って私が前職で毎月貯金してた金額だ。1年で36万円だ。これが消える。手取り22万円の女大ピンチ。自炊に全振りしていくしかない。幸い、東京に友達が1人もいないので、誰かと飲みに行くことはほとんどないのだから。

 

いや!友達!!欲しい!!!って心もある。無職期間、正月を挟んでるのに会った友人は3人しかいない。どんだけ友達いなんだ私。大学の友人たちはソシャゲにハマってるらしく、私はそんなにゲームをしなくなったから、途端に電話しづらくなった。オタク、ハマってるジャンルが違くなると、ちょっと気まずくなる。

 

 そもそも、ここ数年強い熱量でハマったものがない。なんなら、ハマってたものたちが落ち着いてしまった。仕事以外の人間関係の構築は、趣味という「共通言語」を話す人同士の連帯感から生まれる。自分のこと以外を話すことに安心感と熱量を感じ、時が早くなる。

 

 ない。完全にない。人に、第一人者ぐらいの勢いで話せるものは無い。美術館博物館は好きだが、特に知識があるわけじゃない。歴史の本なんてもう読んでないし、学生の頃の知識は飛んだ。芸人も好きだが、特にライブに行く訳じゃない。今まで、私を満たしていた熱量がない。

 

 名刺代わりの「私はこれが好きです」というものが、学生時代に比べてなくなってしまった。私という存在が透明になっちゃったよ。これじゃ、どうやって「共通言語」を話す友人を探せばいいんだ。相手は、コンクリートジャングル東京ですよ。

 

憂鬱だ!!どうして!!どうして東京に行こうと思ったんだ!!安易だったか!?金もない!仕事は初めて!友人はいない!彼氏とは遠距離!!試されてるぞ!!私にとって試練の始まりだ!!

 

  ウォォンとニャンちゅうの鳴き声みたいな声が出た。でも、人間関係が苦手で、連絡をやめて疎遠したのは私。父親が死んで、家族に頼られたくなくて逃げるのは私。職場があった自治体に住民票を置きたくないのは私。親を通じて耳に入ってくる、大手企業に勤めたり結婚したり子供が産まれたり社会的に活躍してる同級生の噂を聞きたくないのは私。

 

私の選択のせい。仕方ない。犠牲は必要だ。全部を手に入れることなんぞできない。これぞ人生の決断。26歳の冒険。アラサーの覚悟。

 

今はまだ、なんも無いどうしよ!ってあたふた動揺していますが、もしかしたら急に何かハマるかもしれない。気づいたら二次創作してるかもしれないし、本格的にブログを更新したりするかもしれないし。

 

 可能性。可能性を買ったんだと思う。上京にかかった70万円は、色んなものを見て歩いて、令和の東京を五感で感じて、今後の長くて短い人生に対して、豊かな影響を与えるかもしれない可能性を買ったのだ。

 

 ここでは無いどこかに、息がしやすい場所があるかもしれない。稚拙な脳みそを捻った結果、追い詰められた私が出した答えは「東京」だった。ならば、ここ数年の貯金をベットする。夢なんぞない、目標なんぞない。なりたい自分なんぞ探す予定もない。

 

 

 

息がしやすい場所を探す。東京になかったら、その時また考えよ。家具家電は買ったからね。次の逃避には、そんなにお金はかからないだろうし。