夏さ、また。

日々のことを、だらだら書いてるだけです。

二重の虹

夕暮れの少し手前、隅田川のほとりを歩いていたら雲行きが怪しくなった。興味本位で昼の吉原を歩いたからバチが当たったのだろうか。住宅街の真ん中に、ソープしかない通りがある。店の前に立つ黒いスーツの男性の視線を感じて、早足で通り過ぎた。

 

関西出身の教授がゼミ旅行の宿を、浅草が近いからと吉原に予約したことがある。ゼミ生だった女子大生6人は、目の前にある熟女ソープにビビりながら、ラブホテルを改良した安宿に寝泊まりした。せめて女子大生を率いる身なのだから、周りの治安を気にして欲しい。地方からワイワイやってきた女の子たちを、三ノ輪から歩かせるのも酷である。知識がある今、実際どうなんだろかと目抜き通りを歩いてみたが、解像度が高くなったからか余計に怖かった。

 

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雨が降ってきたので、橋の下に逃げる。普段と違うカバンで来たからか、傘を忘れた。橋の下には、男の人と外国人の集団。鳩が巣を作っているのだろう、隣にいた彼氏が「空気が悪い」と不服そうな声を上げる。アレルギーは大変だ。雨足は強くなり、水面が粟立つ。元気なのは魚を取るために何度も潜る鵜と、勝ち誇ったように濡れたまま走り抜けるマラソンランナーだけだ。

 

昼に見た浅草の喧騒を思い出す。赤子を泣かせて無病息災を祈る儀式である泣き相撲が行われていた。力士に抱かれて掲げられた赤子は、ぼんやりと肝が据わった目で観客を見ていた。産まれたての赤子のほっぺは白く丸いことを知る。ペコちゃんみたいに、頬がぼてっと膨れているものなんだ。

 

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やることもないので空を見ていたら、虹が現れた。最初は下の方から薄く浮き出てきて、段々と濃くなっていく。東京に来てから虹を見るのは初めてだ。小雨になってきたし、橋を後にし写真を撮りに行こう。縁起がいい。川もスカイツリーもある。


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橋の上の人たちも虹をみあげる。日本人も海外の人も変わらない。犬には見えているのかな。

 

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よく見ると二重の虹だ。しかも7色以上もある。外側の虹は水滴が反射しているらしく、中の虹と色と順番が客らしい。1番外が青色だ。水面に写って反転しているようだ。不思議。


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スカイツリーが映える。隅田川を超えていく大きな虹の橋。歌詞があんまり分からないから、「てーーてーーオーバーザレインボー♪」と適当に口ずさむ。この前ウィキッドを見たけど、こっちはオズの魔法使いだっけ。虹の橋を渡れば希望がある。リメンバーミーもそうだし、マリカだってレインボーロードはわくわくする。


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スカイツリーの手前に虹があるみたい。でも、私が虹の方へ歩いていったら、距離は縮まらす虹は奥へ移動していくらしい。虹は水滴の反射と言うけれど、追いかけ続いたらいつか消えるラインがあるのだろうか。


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河川敷に人が増えてきたと思ったら、上の方から消えていってしまった。完璧な虹を見ることが出来たのは、橋の下で雨宿りをしていた一部の人間だけ。足止めは嫌だけど、得した気持ちになる。


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春なのに夏のような空だ。雨粒が反射して空気中の光の量が飽和している。公園のベンチは濡れてしまったし、どこかに出かけよう。


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浅草のとても美味しいやきとん屋。予約ができないのだが、私たちが最後の一席だったらしく並ばずに入れた。嬉しい!!明日野球に行くけど、贔屓が勝つんじゃないかな。(なお、サヨナラ負けの模様)

 

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