夏さ、また。

日々のことを、だらだら書いてるだけです。

親指を切った

左手の親指を切った。日曜日の昼に、キャベツと卵の胡麻サラダをつくっている途中だった。先月もコールスローを作っていたので、キャベツの扱いにはなれていると思っていたが、包丁が切ろうとした先は親指だった。

 


包丁で怪我をしても、分厚い皮膚と指紋に遮られ、出血することは殆どない。しかし親指を切ってしまった。手の甲側の関節付近を1cmに渡って。この場所のまいったところは、指を曲げると皮膚が引っ張られ、自然に傷口が開くことである。運がない。

 


親指を切って最初に思ったことは、あれ?キャベツの感触じゃないな?だった。その後に赤い血を見て、切ったことに気づいた。つくづく間抜けである。心は過敏で繊細なくせに、物理的痛みには鈍い。神様血を赤い色にしてくれてありがとう。

 


やばいやばいと手を洗い、ティッシュで強く当てて、心臓より高い場所においた。スマホは便利なのですぐに止血の方法を教えてくれる。所謂、圧迫止血である。しかし1時間経っても血は止まらない。なにせ関節のためすぐ開いてしまうからだ。

 


結果、見かねた彼氏が伝家の宝刀キズパワーパッドを取り出して、これまた強めに巻いた。きずぱわーぱっとという代物と初対面だった私は懐疑的だったが、これで見事に血が漏れなくなったのである。ありがとうキズパワーパッド。君はノーベル医学賞だ。

 

 

 


事件現場は遠方にある彼氏の家で、日曜日に起こったことであった。私は彼が途中から調理してくれた憎きキャベツのサラダを噛み締め、近くのドラッグストアで国宝キズパワーパッドとテープ、包帯を買って帰った。そして、割り箸を親指の長さに切り、テープで指の内側に固定、そして包帯を巻いて添木を作った。これで関節を曲げなくて済む。次の日から呑気に仕事に出た。

 


ここで、右利きの人間が左手の親指(手の甲側)を怪我して地味に大変だったことを紹介したい。まずスマホやパソコンが使いにくい。スペースキーを打つ指が消えたし、スマホで長文を打つ時右手親指を酷使することになった。今の文章も親指で打っている。腱鞘炎まったなしである。あと車も運転しづらい。ハンドル握れない、サイドギアは親指で押しながら倒すように設計されてるので、特にきつい。

 

1日目は包帯をきつく巻いてしまったせいで痛かったが、2日目は痛みもなく平和だった。けど3日目にキズパワーパッドを替えようとしたら血が溢れたので、怖くなって有給をとって病院に行くことにした。

 

「指 包丁の傷 縫う」と検索すると、やはり麻酔が痛いと出てくる。指は神経が集まっているから、根元の方に麻酔を打つらしいが、注射嫌いの私にとっては罰である。とにかく嫌だったが、血が止まらない場合は病院らしいので、行くしか無かった。この度指を怪我して知ったのだが、みんな包丁でしょっちゅう指を切るし、縫ってる。

 

 

早朝に職場に有給の連絡をして、総合病院に行った。上司にすら「縫ってもらってこい」と電話で言われた、もう頭は縫うことでいっぱいである。外科は忙しかったらしいが、傷を見た看護師さんが無理言って診察を通してくれたらしい。ビクビクしてたら名前を呼ばれた。おっかなびっくり中にはいる。

 

「この状態のまま1週間放置してください」

 

 診察終了。キズパワーパッドすら剥がさなかった。どうやら剥がすとまたゼロから回復が始まるので、とにかく剥がさないで欲しいとの事だった。えっ??何もされてない…??せっかくの有給いらなかったじゃん!!!

 

いや、私の処置が適切だったといえよう。そう思うことにしようじゃないか。職場の人だってみんな怪我したの知ってるし。いやでも縫うつもりで勇んでやっていたが、肩透かしをくらった。縫わないのでハッピーエンドだ。

 

ただ、今のところ病院から見た私は「包丁で手を切っただけでパニクってやってきた社会人」という、面倒くさい患者だったので申し訳ない。申し訳なさ過ぎて、「お忙しい中申し訳ありませんでした」って言ってしまった。申し訳ない。生きてるだけで多方面に迷惑かけてる。

 

1120円を病院に支払った。この文章は病院の待ち時間で書いたのだが、これから出勤だと思うと憂鬱である。月末に午後休を取りたかったが、果たして取れるのだろうか。あと化膿止めも何も出なかったんだが大丈夫なのだろうか。いや、偏差値70のお医者様が言うならば大丈夫なのだろう。

 

とにかく1年間ぐらいはキャベツの千切りをしない。みなさんも手を怪我したらキズパワーパッドをおすすめします。ありがとう!キズパワーパッド!!