夏さ、また。

日々のことを、だらだら書いてるだけです。

現実逃避の手段はあなた、

胸に残るは罪悪感。

 

 

 お疲れ様です、有機栽培です。

 

コロナウイルスが蔓延していて、世の中閉塞感と憂鬱で溢れていますね。関係なんですが、3月末から同期2人が仕事に来ていないという話を聞いて、先を越されたと歯ぎしりした最近です。新年度になって事務分担も発表されたけど、仕事が増えていた。そして今年は国勢調査有機栽培は死ぬのでしょうか。

 

そんなわけで昨日も今日も明日も明後日も、半年先すら地獄が待っています。毎日職場のトイレでマイナビ転職をチェックして、indeedで東京の雇用を見ながら夢想する日々。でもコロナのせいで不況がやってくるらしいので、転職なんてできやしない。公務員を辞めることは、世間では愚かだと言います。

 

今日も田舎の片隅で、自分の人生選択と現実を呪いながら、150円の発泡酒だけが支えの平日を過ごしています。増えていくのが体重とストレスだけ。

 

でも週末は違う。過去の記事に詳しいですが、1月に人生で初めて彼氏ができました。毎週彼の家に遊びに行って、美味しいものを食べて、寝てまた遊ぶ。外に出かけられないときは孤独のグルメを見ながら何を食べたいか考えたり、彼の育ちは東京だから舞台になった街について話して貰ったりしました。この前は温泉旅行に行ったし、今週も人気のない近くの公園に桜を見に行きました。

 

未来の話だってします。5月になったらあの観光地までドライブしたいね、いつか海外に旅行に行きたいね。秋になったら紅葉を見たいし、遠いけどあの鍾乳洞まで行こうよと言えば、運転は任せとけと笑います。

 

彼は優しいので、いつも私を優先してくれます。きみが行きたい場所に行こう。きみが好きそうな飲み屋だよ。好きなものを頼んでいいよ。危ないから歩道側を歩きなよ。これ美味しいから一口食べるかい?なんだって、分けてくれる。

 

疲れやすい私をすぐに労わってくれます。家まで車出来て偉いね。寝たいなら助手席で寝てていいからね。ぐっすり寝てたから起こさなかった。俺は大丈夫、疲れてないよ。今日楽しかったら、俺は満足だよ。いつもありがとうね。

 

誰も私に言ってくれなかった、欲しかった言葉をくれます。仕事頑張ってるよ。毎日通勤してるの偉い。今日の服似合ってるよ。メイクばっちしだね。きみは可愛い女の子だよ。会うたびに「好きだよ」と、目を見て言ってくれます。

 

日曜日の夕方は別れの時間。そして月曜日と共に仕事が迫ってきます。彼との別れが、現実の始まり。毎回仕事が嫌だと昼から愚痴り、別れ際に帰りたくないと駄々をこねる私を、彼は面倒がらずにあやします。来週まで頑張ろう。そうしたらまた会えるから。

 

彼のとびっきりのやさしさに、甘やかされ生かされている私がいます。彼が居なかったら、一体どうなっていたのでしょうか。少なくとも仕事のストレスにつぶされ、未来が見えなくて不安で泣いてるでしょうね。

 

私が彼と付き合うときに言った言葉があります。「人を好きになる感情が分からない」と。「あなたを今すぐ好きになれるか分からない」と。ましてや正しい恋人のありかたなど、知るはずがないのです。

 

私と彼の関係は「恋人同士」なのか、最近不安になっています。私は現実逃避がしたいがために、彼を利用しているだけなんじゃないかと。正しい健全な「恋人」の在り方に反しているんじゃないかと不安になる。

 

彼と会っている週末は本当に楽しい。一人でいるより、貴方と会っているときの方が100倍楽しい。週末が待ち遠しくて、仕事だってなんとか頑張っている。でも、楽しい現実逃避のために貴方を利用しているんじゃないかと言われたらノーとは言い切れない。じゃぁあなたじゃない男性に同じく優しくされたら、私はどう思うのだろうか。優しくされたいから、あなたに会っているんじゃないかと己を疑ってしまう。

 

あなたが東京出身の転勤族だから、いつかこの田舎じゃないどこかへ連れてってくれるかもしれない。そんな淡い期待と、一筋の希望の糸に縋っているだけなんじゃないか。実際彼と会ったのはマッチングアプリで、始めた理由は東京への転職が失敗して人生に絶望していたからである。この狭くて醜悪な田舎で一生公務員を続けるしかなかった現実を簡単に破り捨ててくれたあなたは、私の王子様だった。

 

私があなたを好ましく思う理由はいくつもある。私は人間に対して減点方式で評価するタイプだ。あそこが嫌だ、ここが気に入らないと人間を評価して、一定水準で関わらないようにする。あなたは一切減点するポイントが無かった。背も私より高いし、服装だって好みだし、おっさん臭いって笑わないし、話だって知的でおもしろい。他人を理由なく否定しないし、私の話に耳を傾けてくれる。

 

減点することが無ければ、加点材料は沢山ある。ただ、あなたの中でいったいどこに私のことを好きになる要素があったのだろう。どうしてそんなに、無条件に人にやさしくしてくれるのだろうか。

 

身体を許しているから優しくしてくれるのかと思えば、きっと違う。セックスの後にそのまま寝るのは嫌だからイチャイチャしようと提案する男は、体目的だとしては効率が悪い。必ずどこか出かけたり、連れていきたい場所を提案してくれるあなたは、それだけが目的じゃないんだよって身をもって証明している。

 

もし、あなたが純粋な行為をもって私のことを好きだとしたら、私があなたを好きな理由は不純でやましいものでしかない。嫌いじゃないから、一緒にいて楽しいから、優しくしてくれるから、ここから連れ出してくれるから。私の好きの一割以上、絶対この気持ちがある。果たして私はあなたにもらった愛の何パーセントを返して上げれているのだろうか。そして、貰うばかりの恋愛は正しいのだろうか。

 

あなたはきっと私が居なくても生きていけるだろう。二本の足で地面に立って、可愛い気立てのいいお嫁さんをもらって、住宅ローンを組むのだろう。東京生まれの白いプリーツスカートが似合う小柄な女性があなたにお似合いだし、私もそう思う。少なくとも田舎育ちの病んだ女は、優しいあなたに相応しくない。

 

じゃぁ私は。私はあなたなしで生きていけるのだろうか。あぁ、無理だ。食の好みが似合うあなたと一緒に行くご飯が楽しいことを知ってしまった。行ったことのある土地が、あなたによって上書きされることの新鮮さに味を占めた。未来の待ち合わせが、どれほど日々の希望になるかを知ってしまった。優しくされることの嬉しさを、優しくしたいと願う心を忘れて生きることはきっとできない。優しくしたいと思える人間も、きっとこれから現れない。誰よりも幸せでいて欲しいし、どんな辛いことも感じてほしくない。

 

出会った頃は簡単に口にできた、「将来は東京に住むんでしょ」って言葉が軽々しく口にできなくなった。あなたに将来を否定されたら、私はどうなってしまうだろう。あなたに嫌われたら、わたしはどうやって生きていこうか。私はあなたのことが嫌いじゃないけど、あなたはもう私にうんざりしているかも。だって優しいから、この田舎から転勤する時までお別れは言わないかもしれないね。

 

あなたがくれる純粋な好意に応えられてるか不安になるほど、私の愛は打算的だ。でもずるい女だから、あなたなしじゃ生きていけないぐらい弱いんだ。

 

正面からあなたに依存している。この腐った現実を生き抜くために、あなたに依存している。好きなはずなのに、こんなに悩んでごめんなさい。あなたに将来を背負い込ませてごめんなさい。でも嫌いにならないで。あなたと四季を重ねて、楽しいを沢山共有したい気持ちに嘘はないから。

 

せめて、元気な時にあなたに会えていたら心から好きと大声で言えたのかもしれない。病んだ心に愛は染み込んで、中毒になってしまった。

 

私の現実逃避の手段はあなた、胸に残るは罪悪感。正しく恋人になれる日はいつ来るか分からない。両想いのはずなのに、楽しくて苦いね。でも、好きだよ。悩むぐらいには愛してる。