夏さ、また。

日々のことを、だらだら書いてるだけです。

人生で初めて彼氏ができた

人生何が起こるかわからないですね。有機栽培です。

 

端的に言おう、彼氏ができた!!22年間彼氏はおろか、ここ数年では同世代の異性と話すことすら片手で数えるほどの私に、彼氏ができた。できたのだ。3日前に。

 

でもいつ振られるか分からないので、ここ2週間の備忘録を残したい。初めては人生で一度きり。初めて彼氏ができたこの心境を残しておきたいのだ。これで彼にブログが見つかったら笑えない。

 

あと、彼氏ができたとツイートしたらいいねが500を超えた。私はどれだけの人間に心配されていたのだろうか。日頃の行いを反省しなさい、自分。

 

 

 

 

さて、彼と出会ったのはマッチングアプリだった。東京での転職を孤独感によって諦めた私は自暴自棄になっていた。もう人生は劇的に変わることは無く、田舎で一生嫌いな仕事をしながら低空飛行で生を終わらせるのだろうという予感を感じていた。でも、どうしても人生を諦めたくなくて、諦めていた恋愛に手を出したのだ。

 

ここで小さく自己紹介。私有機栽培はジャニオタアニオタ夢女子の3重苦を背負いしクソオタクだ。高校時代までは一人称が俺、今は私に落ち着いたが素になると僕が出てしまう。高身長のため服装もボーイッシュでショートヘアーな人間である。高校3年間の中、2年間を女子だけのクラスで過ごし、大学4年間はほぼ女子しかいないゼミで楽しくオタ活をしていた。恋愛などしたことない。告白されたことすらないブスだった。つまり、まったく恋愛とはかけ離れた人生を歩んでいたのだ。

 

しかし転職を諦めた22歳にとって、人生を変えてくれるものは恋愛しか思いつかなかった。最近までしていた就職活動みたいなノリで、選ばれなかったらそこまでだろうと、安易にマッチングアプリをダウンロードしてみる。

 

まずはTinder。顔面偏差値は高いがヤリモク相手しか見つからない。次にタップル、設定をミスって北海道の人ばかり表示されるし、北海道の人ばかりタイプだ。距離的に無理がある。最後にペアーズ。趣味が細かく設定できるのでいいとお勧めされて使ってみた。そんなペアーズでただ一人会話が続く人がいた。LINE無精の私でも、長文が打てる。それが彼だった。

 

とんとん拍子で話が進み、会ってみることにした。ここまで大体2週間。丁度持病の鬱っぽさも出てきて無気力に苛まれていた頃だった。年末年始に昔からの友人たちと会う機会が多かったせいか、幸せそうな友人と苦しい自分を比較して辛くなっていたのだ。自暴自棄の人間は無敵である。ここ数年男と会話したことないのに、ばっちりメイクをして駅へ繰り出したのだった。傷つくならつけばいい、一種の自傷行為だ。

 

結論を言うと、めっちゃ盛り上がった。互いにマッチングアプリの人に会うのは初めてという初心者同士。行きたかった居酒屋はやってなくて、街をぐるぐる歩いたけど、それでも楽しかった。飲む酒の順番も似てるし、ビールは太るからハイボールで妥協する点とか一緒だったし、あん肝を食べたがるところは共感しかなかった。あと甲子園の健大高崎の機動破壊の話題で盛り上がれる相手なんて、今までいたことなかったのだ。

 

彼は言う。「本当に付き合ってほしいから、次はデートしてくれませんか」

私は言う。「待ってデートって何するの?」と。

 

本当だから仕方ない。人と付き合ったこともなければ、読んだことのある少女漫画はハチミツとクローバー。全員片思いの漫画にデートの情報など存在しない。

 

そんなこんなで来週会う約束をして解散。楽しい思い出を抱えた私はウキウキで帰宅した。同世代の男性と普通に会話できたのだから。すごいぜ自分大きな進歩だ、と的外れな箇所でガッツポーズをしていた。

 

再来週、彼に会った。翌週が飛んだのは、ちょうど生理になってしまい当日キャンセルをしてしまったからだ。生理痛がひどい私は公共交通機関に乗る自信が無かったのだ。それでも紳士的な対応をする彼、神か?

 

お昼に合流して水族館に行った。前はちゃんとスカートを履いたけど、女子らしい自分を好きになってもらったら困るとパンツスタイルに好きなメイクで会うことにした。水族館ではずっとどの魚が美味しいか話し合い、伊東四朗みたいな魚を見つけ、ペンギンの餌やりにマジになっていた。あと海洋堂制作のガチャガチャで私の欲しいエイを彼が当ててて心底羨ましかった。相手がブラックコーヒーが飲めないことを知った。

 

 早い時間からお酒を飲む。前に行って開いてなかった私のおすすめの居酒屋。店員さんがフレンドリーでありがたかった。ずっと美味しいご飯の感想を語ってた気がする。ディズニーランド行きたいとか、友人が交わすような会話。

 

私の街の冬は寒いから、足早に2件目に向かう。次は囲炉裏の火が目の前で揺れるお店。前の店が禁煙だったから、ピースを咥えたらすぐに火をつけてくれた。ホストかよっていえば、違うとプルームテックから煙を吐かれた。お腹はいっぱいだったので、お通しを食べながら取り留めのない会話を続ける。

 

突然彼が真剣な顔で「付き合ってほしい」というから、「いいけど、付き合ったことないから正解が分からないよ」と返す。それでもいいからというから、私の欠点をつらつら述べた。

 

「LINE返すのすごく遅いよ」「1日1回でいいよ」「毎週は会えないよ」「2週に1回会えたら十分」「ADHDってこの前診断されたよ」「教員免許持ってるから理解ある」「仕事辞めたいよ」「俺が養うから」「恋人とか分からないよ」「それでもいい」

 

テニスのラリーかなってぐらい言えばすぐに打ち返される。マジかよって思ってたら彼が申し訳なさそうに「転勤が東京とかいくつか候補地がある」と言うので、引っ越し万々歳の私は「ついてくよ」と返すと嬉しそうに笑った。仕方ない、それらは人生で一度住みたい都市だった。

 

私の家は遠いので、いいやと思って親に「友人の家に泊まるから」と連絡した。昼から一緒にいるけどもうちょっと喋りたかったからだ。タバコも切れたし。

 

喋りながら電車に乗る。彼の家に着く前にドラックストアでコンタクトの洗浄液と化粧落としを買った。すっぴんを見て落ち込まれたらそれまでの関係だろう。

 

 彼の家に着くと、片付いた部屋が覗く。有機栽培的私的理論、男の家の方が物が無くて綺麗論にまた一つ参考文献が増えた。彼が手作りのハイボールを出してくれたので、いえーいとソファに座る。そのままアマゾンプライムで、昔見たきりだったテッドを見た。下ネタで爆笑する2人。好きな映画が一緒だった。

 

見終わった後、沈黙が気まづいのでお勧めされたこの素晴らしい世界に祝福を!を見る。何話か忘れたけどデュラハンの回で声優の安元さんが出る回があった。たまたまそれを見てて「この声安元さんなんだよね、めっちゃ好き」って言おうと思ったらキスされた。人生初のキスは、まさかの推し声優の名前を口にした瞬間だった。私はムードを察せ。

 

みんなが期待するようなことはこの夜は無かった。私がキスに慣れたぐらいである。早く目が覚めたら寝ぼけた彼にめっちゃ抱きしめられて、この人私のこと本当に好きなんだなって吃驚したぐらい。吃驚するのだ。私から頑張って見よう見まねでキスすれば、3倍になって返ってくる。今、私は愛されている。

 

寝る前に可愛いと何回も言われたので、冷静な頭でこの人は本当に私に恋しているんだなとぼんやり思った。対する私は彼が好きかと言われれば5秒ぐらい悩む。けどここ3日仕事中でも彼のことを考えているし、嫌いになる理由がないのできっと好きなんだと思う。

 

彼は急激に私に恋をして、私はゆっくりと彼に恋していくのだろう。

 

格好つけないで、弱さを見せても受け止めてくれる存在は、人生で初めてだった。彼が私を好きということに漬け込んでいる、打算的な嫌な女である自覚はある。だから、少しでも嬉しいと思ったら嬉しいというし、好きだと思ったら好きだと口にしようとは決めた。彼の前では素直でいよう。恥ずかしくて下の名前でなかなか呼べないけど。

 

この記事を書きながら、何故か不安になって電話するぐらいには私は彼を必要としている。ゆるく、長く続けばいい。一生手に入らないと思っていた恋なのだから、死んだと思って恥を捨てて甘えればいい。燃え上がるようなときめく恋じゃなくて、何気ない会話に尊さを感じる恋もありなんじゃないかなって。そう信じてみることにした。

 

日々の生活に色彩をくれた彼に感謝して、少しでも長い夢を願いながら。会話が楽しいと思えた異性は、あなたが初めてでした。

 

私は今、すごく浮かれている。喜ばしい自己肯定感を、恋と呼んでもいいじゃないか。